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03月14日-05号

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  1. 高知市議会 2017-03-14
    03月14日-05号


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    平成29年第459回 3月定例会 第459回高知市議会定例会会議録第5号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第5号 平成29年3月14日(火曜日)午前10時開議第1 市第1号 平成29年度高知市一般会計予算 市第2号 平成29年度高知市卸売市場事業特別会計予算 市第3号 平成29年度高知市国民健康保険事業特別会計予算 市第4号 平成29年度高知市収益事業特別会計予算 市第5号 平成29年度高知市駐車場事業特別会計予算 市第6号 平成29年度高知市国民宿舎運営事業特別会計予算 市第7号 平成29年度高知市産業立地推進事業特別会計予算 市第8号 平成29年度高知市土地区画整理事業清算金特別会計予算 市第9号 平成29年度高知市へき地診療所事業特別会計予算 市第10号 平成29年度高知市農業集落排水事業特別会計予算 市第11号 平成29年度高知市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 市第12号 平成29年度高知市介護保険事業特別会計予算 市第13号 平成29年度高知市後期高齢者医療事業特別会計予算 市第14号 平成29年度高知市水道事業会計予算 市第15号 平成29年度高知市公共下水道事業会計予算 市第16号 平成28年度高知市一般会計補正予算 市第17号 平成28年度高知市介護保険事業特別会計補正予算 市第18号 平成28年度高知市後期高齢者医療事業特別会計補正予算 市第19号 平成28年度高知市水道事業会計補正予算 市第20号 平成28年度高知市公共下水道事業会計補正予算 市第21号 高知市指定管理者審査委員会条例の一部を改正する条例議案 市第22号 高知市指定管理者業務評価委員会条例制定議案 市第23号 高知市広聴広報推進委員会条例制定議案 市第24号 高知市個人情報保護条例の一部を改正する条例議案 市第25号 高知市職員定数条例の一部を改正する条例議案 市第26号 高知市職員の勤務時間,休日及び休暇に関する条例の一部を改正する条例議案 市第27号 高知市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第28号 高知市職員の配偶者同行休業に関する条例制定議案 市第29号 高知市報酬並びに費用弁償条例及び高知市報酬並びに費用弁償条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例議案 市第30号 高知市長等の給与,旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第31号 高知市施設等整備基金条例の一部を改正する条例議案 市第32号 高知市公共施設マネジメント基金条例制定議案 市第33号 高知市税条例及び高知市税条例等の一部を改正する条例の一部を改正する条例議案 市第34号 高知市手数料並びに延滞金条例の一部を改正する条例議案 市第35号 高知市地域包括支援センターの人員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第36号 高知市指定障害福祉サービスの事業等の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 市第37号 高知市障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第38号 高知市児童福祉審議会条例の一部を改正する条例議案 市第39号 高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案 市第40号 高知市墓地条例の一部を改正する条例議案 市第41号 高知市工場立地法地域準則条例の一部を改正する条例議案 市第42号 高知市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例議案 市第43号 高知市公設水産地方卸売市場業務条例の一部を改正する条例議案 市第44号 高知市農業委員会における部会の委員の定数条例を廃止する条例制定議案 市第45号 高知市農業委員会委員候補者選考委員会条例制定議案 市第46号 高知市道路占用料徴収条例の一部を改正する条例議案 市第47号 高知市空家等対策協議会条例の一部を改正する条例議案 市第48号 高知市火災予防条例の一部を改正する条例議案 市第49号 高知市水道事業及び公共下水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第50号 高知市上下水道企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第51号 包括外部監査契約締結議案 市第52号 市道路線の廃止に関する議案 市第53号 市道路線の認定に関する議案 市第54号 新図書館等複合施設整備業務委託契約の一部変更議案 市第55号 調停の申立てについて  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第1号議案から市第55号議案まで  ────────────────  出席議員1番 浜口佳寿子君  2番 岡崎 邦子君3番 近森 正久君  4番 迫  哲郎君5番 深瀬 裕彦君  6番 長尾 和明君7番 氏原 嗣志君  8番 細木  良君9番 はた  愛君  10番 田鍋  剛君11番 竹内千賀子君  12番 浜田  拓君13番 下本 文雄君  14番 下元 博司君15番 岡田 泰司君  16番 岡崎  豊君17番 近藤  強君  18番 大久保尊司君19番 伊藤 弘幸君  20番 吉永 哲也君21番 浜口 卓也君  22番 寺内 憲資君23番 清水おさむ君  24番 平田 文彦君25番 川村 貞夫君  26番 西森 美和君27番 高木  妙君  28番 和田 勝美君29番 竹村 邦夫君  30番 戸田 二郎君31番 福島  明君  32番 山根 堂宏君33番 水口 晴雄君  34番 中澤はま子君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     吉岡  章君      副市長     井上 哲郎君      総務部長    山本 正篤君      財務部長    弘瀬  優君      市民協働部長  神崎  修君      健康福祉部長  村岡  晃君      こども未来部長 山川 瑞代君      環境部長    黒田 直稔君      商工観光部長  中澤 慎二君      農林水産部長  長岡  諭君      都市建設部長  清水  博君      教育長     横田 寿生君      上下水道事業管理者              海治甲太郎君      防災対策部長  門吉 直人君      消防局長    宮脇 良平君      監査委員    藤原  敏君      財政課長    林   充君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    藤原  哲君      事務局次長   弘田 充秋君      庶務課長    前田 敦夫君      議事調査課長  山崎 敬造君      庶務課長補佐  谷村 守敏君      議事調査課長補佐              広松 康児君      議事調査課管理主幹              竹村 博和君      秘書係長    西成 雅江君      議事係長    中須賀広典君      調査係長    田村 章代君      書記      山崎 文絵君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開議 ○議長(竹村邦夫君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第1号議案から市第55号議案まで ○議長(竹村邦夫君) 日程第1,市第1号議案から市第55号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 はた愛議員。  〔はた愛君登壇〕 ◆(はた愛君) おはようございます。日本共産党のはた愛でございます。 通告に従いまして,個人質問をさせていただきます。 まず初めに,長時間労働の是正と欠員解消を求めて質問をいたします。 現在,異常な長時間労働が社会問題となっています。 一昨年,電通の24歳,高橋まつりさんが,長時間労働の末,過労自殺をしました。その日は12月25日,世間はクリスマスです。まつりさんは会社の寮から飛びおり,亡くなりました。彼女は,鬱病を発症していましたが,鬱病になる前の残業時間は,月約105時間,パワハラもあったと言われております。 遺族となったお母さんが,手記を書いていますので,一部,紹介したいと思います。 まつりは,どんなにつらかったか。娘は,地域格差,教育格差,所得格差に時には,くじけそうになりながらも努力を続け,大学を卒業し就職し,電通に入ってからも,期待に応えようと,手を抜くことなく仕事を続けました。 その結果,正常な判断ができないほどに追い詰められたのでしょう。あのとき,母として,どうして娘を助けられなかったのか。後悔しかありません。 人は,自分や家族の幸せのために,働いているのだと思います。仕事のために不幸になったり,命を落とすことがあってはなりません。まつりは,毎晩遅くまで皆が働いている職場の異常さを指して,会社の深夜の仕事が,東京の夜景をつくっていると話していました。 決して,見せかけだけではなく,本当の改革,労働環境の改革を実行してもらいたい。会社は,まつりの死に対して,心から反省し,二度と犠牲者が出ないよう,決意していただきたい。 そして,社員全ての人が,伝統を重んじることにとらわれることなく,改善に向かってほしいと思います。日本の働く全ての人の意識が変わってほしいと思いますと述べています。 今,長時間労働や低賃金,非正規雇用の拡大などが,多くの労働者や若者を苦しめています。 高知市においても,他人事ではない社会問題です。高知労働局の話では,全国の過労等による労災決定数は,平成27年度だけで,脳と心臓疾患の場合と精神障害の場合で,死亡と自殺も合わせると合計1,977件です。 職業別に見ると,脳と心臓疾患では,運輸業と郵便業が最も多く,次いで,飲食業や小売業となっています。 精神障害では,輸送業が最も多く,次いで,医療,福祉業となっています。高知県内の実態は,平成27年度は,脳と心臓疾患と精神障害の合計は12件,そのうち,自殺が1件です。 労災決定の要因には,長時間労働があります。労働局からいただいた全国の資料では,平成27年度,脳と心臓疾患の労災決定者251人中,過労死ラインの月80時間以上の方の割合は239人,約95%です。 また,死亡者93人のうち64人が月80時間超えで68%です。過労死ラインである月80時間を境に,圧倒的な割合で労災決定や死亡率が高くなっています。精神障害もほぼ同じ傾向です。 現在,政府は,働き方改革と称して,残業時間の上限を罰則つきで,年間720時間,特例で,繁忙期月100時間を認める法案を出していますが,これは,大臣告示の月45時間,年間360時間という定めの2倍を容認するものです。 働く者にすれば,明らかに,労災認定基準の過労死ライン月80時間を超えており,到底認められません。 働き方改革の名に値しない,ひどい法案だと思いますが,政府案の年間720時間,繁忙期月100時間を認める今回の法案に対する,市長の認識をお聞きいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々,御質問をいただいたとおり,電通社員の高橋まつりさんが,長時間労働の末に自殺されましたことは,メディアでも大きく報道されておられまして,御家族の悲しみを考えますと,私どもも心を痛めております。 現行の,労働基準法による労働時間の定め方を改めて申し上げますと,1日8時間まで,1週間で40時間と定められております。 労働基準法の第36条に規定します労使協定,これは,通常,三六協定と呼ばれていますが,厚生労働大臣の告示で,原則月45時間,年間360時間以内の時間外労働が可能となり,もう一つさらに上の協定がありまして,特別条項つき三六協定を締結すれば,事実上,青天井となりまして,上限なく働かされることが現状としてあるという状況になっております。 御指摘のように,段々,脳疾患や心臓疾患のお話がございましたが,長時間労働対策の強化は,喫緊の課題となっております。 今回の政府案は,国会でも,賛否両論,さまざまな御意見が,今,戦わされております。 厚生労働大臣告示で示されております三六協定の,基本的な原則の月45時間,年間360時間を法律に明記をしまして,先ほどの,特別条項つき協定を結ぶ場合におきましても,年間の上限を720時間,月平均で60時間と定めた上で,なお,繁忙期につきましては,1カ月100時間未満か以下かでもめておりましたが,基本的には100時間未満,2カ月から6カ月の平均で80時間を超えないように規制する内容で,検討されております。 上限時間が,先ほどの過労死ラインと呼ばれます月80時間を超える内容で検討されていることについて,さまざまな議論がありますが,労使協議がなされ,3月末に,まとめられる予定になっております働き方改革の実行計画におきまして,その方針が,盛り込まれる予定となっております。 いろいろ,賛否両論あるところでございますが,初めて,法律上で残業時間の上限を設けて,しかも,厳しい罰則を科するということは,一人でも違反があれば,その法人を罰する。しかも,懲役と罰金があるということは,地方公務員の地方公共団体も適用されます。 非常に厳しい罰則が織り込まれるということにつきましては,第一歩として,一歩目が進んだということは,評価できると考えます。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 第一歩として,罰則つきで進んだという点については,市長と同感で,一歩前進かと思われますが,けさのニュースでも,首相は,100時間未満という言葉を使いますけれども,ほぼ100時間を認めているようなものです。 これを,いかに改善させていくかということが,世論としても,どういう声を上げていくかということが,また問われてくると思います。 市長も言われました,そもそも,大臣告示,月45時間という時間外労働の上限は,医学的見地に基づき,国が定めたものです。この,大臣告示こそ法制化をしていくということが,これからの国の責任だと思います。 働く市民の立場に立てば,大臣告示こそ法制化していくよう,市としても国に求めていく必要があると思いますが,市長の見解を,お聞きします。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 長時間労働の是正につきましては,過労死を防いでいくということだけではなくて,例えば,女性の方々の社会への進出,女性の方々の働く場をふやすという観点でも,必要な取り組みだと認識をしております。 時間の設定の仕方でございますけれども,雇用者側と労働者側で,いろいろ議論があるところでございます。 政府が,時間外労働の上限として検討しております月平均60時間というものにつきましては,労働者の長時間の労働の是正の観点と,雇用者側,事業者側の生産性の確保を両立するように,労使双方に配慮した遵守可能な範囲での,設定の時間帯だというふうに認識をしております。ここは,いろいろ議論のあるところでもございます。 今月末の実施計画の取りまとめに向けまして,政府におきまして,働き方改革実現会議の議論が,山場を迎えておりますが,残業時間の上限を法律で定める法制化につきましては,労使双方とも画期的であると評価をしておりますので,大体まとまってきましたので,法制化の運びとなる見込みでございます。 また,今回の法案の中では,残業規制が実施をされましてから5年後に,その規制内容を見直すということも前提として調整されているということでございます。 こういう動きを見ながら,高知市におきます取り組みや,また,全国市長会の中でも議論が出てくると考えますので,今後とも,注視をしてまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 注視をするだけではなくて,市として国に求めていただきたい。市長会の中でも,議論が出てくるかと思われるということであれば,市として,大臣告示を法制化していくということを表明していただきたい。そのことを,強く要望しておきます。 次に,とさでん交通にかかわって,質問をいたします。 高知市が大株主となって運営しているとさでん交通の運転手さんたちの働き方について,株主として経営陣に物を言う権利が市にもありますので,質問いたします。 過労死ライン月80時間を超える時間外労働がある場合は,産業医の問診を受けるようになっていますが,実際は,多くの運転手さんは正直には答えられていないといいます。それはなぜか。 会社の給与表では,運転手さんの見習い期間等非正規の場合の給与は,月14万円から,正規雇用の場合は,月16万円からのスタートとなっています。このような給与の低さから,仕事を減らせないと我慢して長時間働いていることや,人手不足が原因だといいます。 20代のある運転手さんは,鼻血がとまらなくなったといいます。同僚が,時間外の労働時間を聞くと,いつも,月90時間,100時間超えだといいます。 未来ある若い運転手さんの健康が,危険な状態です。この方だけではなく,電車の輸送課だけでも,毎月100時間超えが1名から2名,毎月80時間超えが7名から8名いるといいます。 当然,多くの運転手さんが次々とやめ,県外へ流出していると聞きます。事務職員に至っては,タイムカードもないと聞きますが,これは,残業代未払いが起きかねない状況です。 県民,市民の,生活の足を担っている大事な公共交通,観光やまちづくりにおいても,公共交通のネットワーク強化が大前提となっています。安全交通の上でも,運転手さんの勤務状況の把握は,大事な問題です。 まず,人手不足を示す,バス,電車それぞれの運転手さんの欠員状況を,市民協働部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) とさでん交通によりますと,バスの運転手の欠員は27名,電車の運転手の欠員は16名とお聞きしております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 続きまして,とさでん交通の運転手さんの見習い期間と正規雇用の基本給は,それぞれ幾らか,市民協働部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) とさでん交通によりますと,バスと電車の運転手の場合,単独で運転することができるようになるまでの間は,運転手候補生として給与は日額5,300円とのことですので,月24日出勤の場合は,月額12万7,000円の給与となります。 次に,バスの運転手として,正社員の基本給は,現在,月額16万1,100円ですが,本年4月からの基本給は,月額17万5,200円。また,電車の運転手としての正社員の基本給は,現在,月額14万2,350円ですが,本年4月からの基本給は,月額17万5,200円とのことでございます。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。
    ◆(はた愛君) 低賃金だということが,改めてわかる状況ですが,今議会,議案としてバス事業への赤字補填の補助金,約2,300万円が補正予算として提案されています。 その理由は,時間外労働の増加,バスの購入,収益の減少という説明です。約2,300万円のうち,運転手不足による時間外労働の増加分は幾らか,また,その年度の時間外労働は,全体で何時間あったのか,市民協働部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) 生活バス運行補助金につきましては,バスの運行費用から運賃収入を差し引きました欠損額から,国,県,市町村のそれぞれの補助要綱において,補助対象外となる部分を差し引きまして,さらに,自治体ごとの負担割合に応じて額を決定しており,今回の補助金の補正予算額のうち,時間外労働の増加分が幾らかということにつきましては正確に申し上げることはできません。 ただ,とさでん交通の平成28年度補助期間の欠損額の増加額は,約1億3,000万円,うち人件費増加額は,約6,000万円でございますので,欠損額に占める人件費増加額の割合は,約46%でございます。 この割合から算出しますと補正額約2,300万円のうち約1,060万円が,人件費増加の影響額ではないかというふうに想定をされます。 なお,全体で時間外労働が,何時間あったかにつきましては,とさでん交通さんからはお示しいただいておりません。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 2,300万円のうち運転手不足の時間外労働,これが,何時間かと。それについて,幾ら赤字補正をするのかと。議案にかかわる大事な数字,資料ですので,ぐらいとかということでは,十分な説明だと私は思いません。補正議案の根拠が正確にわからない,市として,納得できる状況でしょうか。 再度,市民協働部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) 補助金の算定につきましては,先ほど申し上げましたとおり,算定に必要な資料の提出はいただいております。 また,本市は出資者として,とさでん交通の事業再生計画が,計画どおり進捗しているかを監視するためのモニタリング会議に参加し,進捗を確認する資料をいただき,意見も述べさせていただいております。 さらに,中央地域公共交通改善協議会にも参加し,バス路線の再編や利便性の向上策について,他の関係自治体とともに協議も重ねております。これらの場では,各自治体の補助金との関係から必要な資料は求めており,人件費の増加状況も,示していただいております。 しかしながら,関係する自治体は,株主ではございますが経営者ではございませんので,例えば,人件費の増加に占める勤務の個別詳細な情報までを,権限を持って求めることは困難ではないかというふうに考えております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) それでは,詳細なことはわからないということですけれども,明らかに,補正議案の説明の中に,時間外労働の増加によるということが書かれてありますので,事前に通告もしておりますので,伺いたいと思います。 バス,電車でそれぞれ,月80時間以上,月100時間以上の方がどれだけいるのか,再度,市民協働部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) とさでん交通にお尋ねをいたしましたが,個々の勤務の状況は,企業の内部情報との理由でお示しいただけませんでした。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) とさでん交通は,100%行政出資の企業で,つまり,単なる民間企業ではなくて,県民,市民が株主なわけです。議案にかかわる状況について,議会から資料を提出してほしいということを言っても出さない,そういう状態は,本当に許されない。 特に,とさでん交通は,平成28年度の事業報告の中で,人員不足が,経営面でも大きな痛手,改善の課題だということを書かれております。そういう意味では,経営,そして市民の安全を守る上で運転手さんの人手不足の実態を報告するというのは,とさでん交通の責任だと思います。 それが,答えられないというのは,私は重大な問題だと思います。それだけではないので,ほかに問題がありますので,紹介したいと思います。 この資料は,とさでん交通が作成をしました,今年度2月21日につくられた資料です。 バス路線再編検討部会の資料として,今後は,都市再生調査特別委員会でも報告をされる予定だと聞いているところです。このバス路線の再編検討部会の資料,その中の,一番上の枠囲みの下のレ点のところに,どう書かれてあるか。現在,政府により長時間労働に関する罰則の導入が検討されており,現状の不足状況のままでは,対応が困難と想定される。 つまり,政府が罰則を設けようとしている月100時間,この実態が,とさでん交通にはあるということです。月100時間超えというのは,労働基準法や労働安全衛生法,過労死等防止対策推進法の監督対象となる長時間です。 こういった,みずからが100時間超えを想定できると,このままだと困難だと言っておきながら,先ほど部長の答弁にあったように,市に対しては,何ら情報を公開できない。本当にひどい会社だなと思いました。 とさでん交通だけではありません。筆頭株主である県の産業振興推進部交通運輸政策課への聞き取りにおいては,労働者の賃金等は知る必要はないと,実態を知らなくてもいいという回答です。 地域経済を支え,真面目に働く者,長時間労働に苦しむ運転手さんたちにとって,こんな屈辱的なコメントはありません。 この場をかりて,県に強く抗議を申し上げたい。同時に,行政として,長時間労働など処遇の実態を把握するよう知事にも訴えたいと思います。 とさでん交通は,コンプライアンスの確立を標榜するなら,その実態を,株主に説明するべきです。 この100時間の問題だけではありません。この中には,乗務員不足の解消に向けて行っている取り組み3点が紹介をされております。 1つ,一番上に大きい字で書かれてありますが,大型2種免許の取得制度を設けた。つまり,普通免許での応募が可能ですということです。2つ目,高卒者の運転手候補として新卒の採用と高校への個別面接の実施を行っている。3つ目,各種就職説明会への積極的な参加をしていますと。 行っている取り組み,3点が書かれているのですけれども,この中には,長時間労働などの労働環境の改善はありません。 ほかにも問題があります。 部長の答弁で,バスの欠員が27名,電車の欠員が16名という報告がありました。電車の皆さんも欠員がある状況なのですけれども,とさでん交通は,ハローワークに募集をかけていない。 2つ目には,職安の採用基準には大型2種免許がある者としかなく,普通免許では応募ができない。見習い期間の日額を,とさでん交通のホームページでは5,100円と書いていましたが,市への報告は5,300円となっています。どちらが正しいのか。資料で,行っていると明記をしている普通免許での募集が,職安に出されていない。この点だけ見ても,なぜ,運転候補生,普通免許での募集を職安に出さないのかと問題を感じます。 実態と報告内容が違う点について,部長の見解をお聞きいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) とさでん交通からお聞きしましたお話では,バス運転手の募集につきましては,先ほど申し上げましたバスの運転に必要な大型2種免許を必要資格とする通常の運転手さんと,採用後に大型2種免許を取得することを前提として,募集時には普通免許のみを必要とするバス運転手候補生の2種類の求人を,ハローワークに出されておるというふうにお聞きしております。 ただ,本年4月から基本給の見直しなど新しい人事制度のスタートに合わせて,ハローワークでの掲載内容を変更する必要があり,3月10日から,ハローワークの求人情報を,一旦保留をしているというふうにお聞きしております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 質問の通告をして,問題があるという指摘がとさでん交通にわかった時点で,ハローワークの情報を一切見れないようにする。また,ホームページについても,一切見れないようにする。私は,そういう姿勢は隠蔽だと,都合の悪いことは隠しているのだというふうに受け取れます。 ハローワークについて,部長が言われていたバス運転手さんの求人広告,大型2種免許を持っている方のみ募集しますという求人広告があるのですけれども,それは,即戦力として,そういう部分だけを職安にかけたという理由を繰り返しとさでん交通,言われているようですけれども,今,消されてないですけれど,消される前に職安のほうからいただきました。 これが,その資料です。ここにあるように,求人条件にかかわる特記事項というところがあります。ここには,部長が言われるとおり,4月から,正社員の新しい制度ができると,その後は,賃金体系も変わりますと,基本給は,17万5,200円になるということが書かれてあるので,あえて,今,求人広告をハローワークから削除する必要はないと思うのですよね。 削除した理由は,何でしょうか。もう一回,部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) 先ほどお答えした以上のことは,お聞きしておりません。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 書かれているとおり,この特記事項のところに,4月から制度が変わるのでということを書いてあれば,わざわざ,今,職安に出している求人を,情報公開を一切ストップするということを,しなくても済むことなんですよね。 そういうことを,とさでん交通はやっております。本当に,人手不足を解消したいと思えない姿勢だと私は思います。ましてや,質問を通告した後に,自社のホームページの5,100円と書いていた日給について,それを問うと聞いた途端,ホームページを見れなくするというのはどういうことでしょうか。 都合が悪い,間違っていたから変えたいということであれば,書き直してすぐ出すべきです,求人は。書き直しもせずに,今,ずっと情報がとまっている状態なのです。 これは,都合が悪いものを故意に隠す,つまり,隠蔽と言わざるを得ない状況だと思います。 会社法というもののもとで,とさでん交通も経営がされていると思いますが,その会社法でも,株主への説明責任は当然あります。 現在は,事業再生計画の中です。当然,職員の定数分の給与は必要経費として確保されるものであり,現状は,欠員分を長時間労働で埋めて,実質は,人件費は安く抑えられているという状況です。 経営上,人手不足の検証と解消策,この議論はすべきことで,そのために必要な実態資料を出してくださいと聞いているだけです。それさえ報告できないとするとさでん交通の,株主に対する,県民,市民に対する姿勢は,到底理解できません。 企業としての説明責任,経営の透明化は,当たり前のことです。人手不足の解消とあわせて,労働者の処遇,働き方の情報も,きちんと市に報告するよう求めていただけないか,市長に見解を伺います。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) まず,原則的なことをお答え申し上げますが,県,市が会社に出資をしておりますが,会社に出資する資本と,実際の会社の経営とは基本的には分離されるというのが会社法の大原則でございますので,出資者として求めることができる資料の範囲には,限界があるということは御了解を賜りたいと思います。 今後とも,我々も必要に応じて,相手方と資料の提出については,協議をさせていただきます。 また,中央地域の改善協議会という協議会がございますので,この協議会のもとで,経営に関するさまざまな資料を示していただくということになっておりますので,この中央地域の改善協議会の中で,我々も,意見をさまざま申し上げていくということでございます。 御指摘の点につきましては,意見としては申し上げられますけれども,会社の資料を全部求めるという権限は,我々にはないので,そこは,御了解をいただきたいと思います。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 権限がないということではなくて,単なる民間企業ではない,株主が,100%県民,市民の会社ですので,その企業の姿勢として,道義的責任として,株主に対して説明をするということは当たり前だと思いますので,その点,市長からも,きちんと意見を伝えていただきたいと思います。 先ほど見せました資料のとおり,採用数より退職者数が多い状況です。これでは,欠員がなくなるどころか,ふえています。 また,県内外,ほかの運輸会社へ転職していく方も少なくないと聞いています。人手不足は,全国的な問題であるからこそ,労働環境の改善や人材確保が必要だと思います。経営の安定は大事なことですが,だからといって,労働者が,過度に犠牲を強いられるのはおかしいと思います。 ましてや,運転手さんは人の命を預かる仕事です。安全運行のためにも,人手不足の解消は急務です。 市長は,公共交通の現場の労働者の皆さんの状況をどのように認識されているのか,また,人手不足や長時間労働の解消など処遇改善の必要性を経営陣に明確に提案することはできないか,お聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) それぞれ,全国的な傾向でございますが,若い方々が,2種免許を取らないという傾向がございまして,全国的な傾向として,公共交通のバスの運転手,またタクシーの運転手に非常に若い方々が入り込んでないという一つの課題が大きくなっております。 とさでん交通におきましても,運転手不足につきましては,非常に重要な課題だという認識を社長も持っておられまして,そのことに対する改善ということには,さまざまな対策が必要だという認識を持っております。 そういう一環の中で,4月から人手不足の中で何とか確保したいという思いもありまして,正社員の初任給を引き上げるなどの処遇改善に努められているところでもございます。 高知市におきましても,とさでん交通の処遇の改善につきましては,安定した経営のための環境づくりというものが重要だと,県,市ともに考えております。 例えば,バス路線の再編,また,不採算バス路線を高知市が中心となりまして,デマンド型の乗り合いタクシーで代替えすることなどによりまして,支援を行っているところでございます。 中央地域の公共交通の改善協議会等の会議におきましても,運転手不足の解消につきましては,我々も心配もしておりますので,意見を述べてきております。 なかなか,一足飛びに処遇改善ということは,難しいと思われますけれども,今後とも,経営改善に向けた人手の確保ということにつきましては,交通事業者と我々も協議をしてまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 長時間労働,処遇改善の実態を示す資料の提示を,とさでん交通に求めていただくことを強く要望しておきます。 次に,関連して,高知市の職員の長時間労働の問題について,伺います。 地方公務員の現場でも,過労死が起きております。過労死防止法ができて,この15年間で192名が過労死しています。地方公務員の現場に対しても労働基準監督署から是正勧告が行われた自治体があります。 滋賀県庁では,2015年,時間外労働の時間が年間1,000時間を超える職員が20名もいたためです。また,同じ2015年,広島市では,月100時間以上の時間外労働を7カ月続けた新入職員が過労自殺し,市の人事委員会には,過労死を出さないための申し入れが,議会からも出されたと報道されています。 そもそも,労働基準法の1日8時間,週40時間,これは,官民を問わず共通の原則だと思いますが,自治体職員であれ,労働基準法が原点になると思いますが,総務部長の認識をお聞きいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) 地方公務員の労働条件につきましては,国家公務員と異なりまして,原則として,労働基準法が適用されております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) それでは,高知市の長時間の実態についても,お聞きをいたします。 労災認定の目安とされる時間外が,3カ月平均で月80時間を超える市職員は,どれだけいるのか,また100時間を超える職員がどれだけいるのか,平成28年度の最新の数をお示しください。総務部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) 平成28年度の最新の人数につきましては,本年1月の時間外勤務実績までの集計となりますけれども,3カ月平均で,月80時間を超えた職員は,延べ119人,1カ月当たり100時間を超えた職員は,延べ117人となっております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 驚くべき実態です。長期療養者も毎年90名前後で,減る傾向はありません。平成27年度,長期療養者の数96人,そのうち労災認定の目安となる脳と心臓疾患の方は4人,精神疾患の方が53人,合計57人,全体の6割に当たります。 市も相談窓口を設け,健康や長時間労働,パワハラなどについても声を聞き,対応しているということですが,また,その上,労働安全法に基づくストレスチェックにも取り組んでいるとお聞きをいたしております。 市に,産業医から実施報告が出されていると思いますが,どういう評価なのか,また,その上で,どのような対応をとってきたのか,総務部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) 今年度,実施しましたストレスチェックでは,150人の方が,高ストレス者と判断されまして,そのうちの39人が,医師の面接を受けております。産業医から,面接を受けた職員の状況について,高ストレスの要因は,仕事に限らずさまざまな内容があったと伺っております。 しかしながら,中には,業務負担や職場環境の改善が必要と判断されている職員もおいでますので,当該職員につきましては,所属長とのヒアリング等を通じ,配置転換や職場内での業務の見直しとメンタルヘルス不調の未然防止につながる方策を検討し,適切な対応をとってまいります。 一方,個人の結果を部局ごとに集計し,現在の仕事のストレス要因によって職員の健康に問題が生じる可能性を数値化する方法として,健康リスクという指標がございまして,この数値が120を超えると,何らかの仕事のストレスに関する問題が発生していると言われております。 この指標に関しましては,産業医から,本市全体として,男性が85,女性が82という数値結果でございまして,数値的には,特に問題が生じている部局があるとは判断していないという分析結果の報告も受けております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 部局で見たら,特段問題が生じているという部署があるとは判断できなかったと報告書に書いてありますが,部局がどうかという問題ではなくて,その人がどういう状況なのかというところに,評価の最大のポイントがあると思います。 そういう意味では,部長が言われた,高ストレスと言われた150人のうち,実際面接指導を受けた方はたった39人,実施率でいうと26%にとどまっています。 これでいいのかというところなのですが,産業医からの報告を,単純にうのみにするのではなくて,きちんと分析をして,その上で,改善策を示すという努力義務が,法律上も課せられています。 市として,低い受検率,面接率を高めていくという手だてを示す必要があると思いますが,部長に見解をお聞きいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) 今回の受検率が,約6割にとどまったことにつきましては,職員への制度の意義や実施方法の周知等について,改善すべき点があったと考えております。 現在,次回の実施に向けまして,他都市の実施方法等について調査しているところでございまして,その結果について分析をいたしまして,職員の受検率の向上に向け,取り組んでまいります。 また,高ストレス者と判定された職員に関しましては,面談する医師の人員体制の見直しも視野に入れつつ,相談しやすい体制の構築を目指してまいります。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) ぜひ,高ストレスの方に,きちんとした業務上の措置,しかるべき必要な対応を高知市がとって,支えていくという取り組みを,さらに強化をしていただきたいと要望しておきます。 そもそも,なぜ,長時間労働やパワハラが起きるのか。それは,人員体制にゆとりがないからではないでしょうか。長時間労働への認識とあわせて,欠員状況を総務部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) 平成28年4月時点では,条例定数2,860人に対して正職員の人数が2,723人となっておりまして,その差は,137人となっております。 新年度においても,欠員解消に向け,102名に採用通知を行いましたが,採用条件となる国家資格の合格発表がなされていない状況で,現時点で,欠員状況という正確な数値をお答えできる状況にはございませんけれども,若干改善はあるものの,今年度同様,来年度についても,厳しい状況であるというふうに認識しております。 こうした中,業務や職務環境上の問題,課題が積み重なってまいりますと,超過勤務の常態化や心身ストレスの増幅によりまして,職員が体調を崩すリスクが,高まってまいります。 したがいまして,職員自身の健康管理という面は無論のこと,行政サービスの確保という面からも,組織として,適切な人員体制を整えていく責務があると考えております。 一方で,長時間労働やハラスメントの防止は,人員体制の見直しだけで解決されるものではなく,各職場において,特定の職員に業務が偏ることがない適切な業務配分や,職員間のコミュニケーションによって,よりよい職場の雰囲気をつくり上げることが重要ではないかというふうにも考えております。 この点に関しましては,管理職を中心に,組織マネジメント研修,管理職のためのメンタルヘルス研修などを行っておりますが,これに加えて,人づくり広域連合が,新年度から実施を予定していますチーム力向上のためのコミュニケーション研修などへの職員の参加を積極的に促しまして,組織力を向上させる取り組みも,進めてまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) ぜひ,早急に取り組んでいただきたいと要望しておきます。 国の働き方改革は問題だらけですが,罰則を設け,繁忙期は月100時間と言っています。 しかし,市の実態は,月100時間を超える職員が,現在でも,答弁のように117名いるという状況です。大臣告示や過労死ラインを超えるような時間外労働は,最低でも生まない対策を示す必要があります。 長時間労働の改善策として,最低でも欠員の解消と同時に,働き方改革を踏まえた職員定数の見直しの協議が必要だと思いますが,市長の認識を伺います。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 職員定数につきましては,定数管理計画に基づきます運用を行っておりますが,先ほど御紹介ありましたとおり,相当の欠員が出ておりますので,欠員を何とか埋めたいということで,それぞれの採用試験も行っております。 国が示しております今回の新しい働き方改革につきましては,今月末に,その中身が固まってまいりますので,そこを注視しながら,新しい取り組みを,さらに進めていかなければいけないというふうにも考えております。 高知市の人材育成基本計画におきましても,例えば,ノー残業デーの徹底などによります時間外勤務の削減や,それぞれの職員の年次有給休暇の取得の促進など,長時間勤務の抑制が,さらに必要になってまいるというふうに考えております。 これから,いろいろ制度が変わりまして,例えば,厚生労働省が,今,考えておりますのは,これまでは,月100時間超の企業の名称を公表するということでございましたが,これからは,月80時間を超えるものについては,公表するということを,今,厚生労働省は考えております。 そういうことを含めながら,その上限いっぱい働かせていいというアナウンスにならないようにということは,全てのいろんな団体について,これからも,注意深くいかなければなりませんが,できるだけ,働きやすい環境の整備ということを,官民ともに整えていかなければならないと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) みずからの,高知市として,国の言う働き方改革を踏まえた協議の場が必要だと思うのですが,今後,そういう場をつくっていくのかどうするのか,市長に伺います。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) その協議の場というものが,どういう中身のものかはよく御質問ではわかりませんけれども,民間企業の中では,これからの働き方改革を見据えて,例えば,ユニチャームでは,午後10時以降の勤務を原則禁止とする会社の取り組みを本年1月から進めております。 また,飲食関係ですけれども,店舗を除いていますけれども,日本ケンタッキー・フライドのホールディング,事務ですが,4月から,本社と支社に勤務する社員を対象に,例えば,午後8時以降の残業を原則禁止するとか新しい動きが出ております。 そういう官民の動きは,十分注視をしながら内部で十分に議論をしたいというふうに考えます。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 高知市がどうするかということを聞いたので,ほかの民間企業もやっているとおり,高知市の内部においても,定数の見直しも含めた働き方改革を,どうしていくかという協議をしていただきたいと要望しておきます。 公共交通の職員も市の職員も,市政の土台です。 しかし,官民問わず,置かれている状況は深刻です。人手不足が,長時間労働を深刻化させ,ひいては,市民の暮らしの苦しさに共感する心すら奪っているのではないかと思います。市民の心を,心とする精神は,今や,市政から消えつつあるのではないかと思います。 幾ら,男女共同参画や育児,介護が両立できる働き方改革を進めようといっても,長時間労働が抜本的に改善されない限り,労働者は,物理的に子育てや介護に時間を割くことはできません。 労働基準法や労働安全衛生法,過労死防止法に反するような現状をただすことなくして,市勢の発展もないと思います。 多くの市民,労働組合,労働基準監督署も,市長のリーダーシップを見ています。早急に改善していただくことを強く求めて,この問題の質問は終わります。 次に,公共施設の再配置とPFIについて,伺います。 公共施設の維持管理問題は,市民生活にとっても大事なことです。公共施設白書から施設の維持管理の将来負担を見ると,市が持つ公共施設は,現在,884カ所,延べ床面積の約6割を学校教育施設と公営住宅が占めています。 また,全延べ床面積の46%は築30年を超えており,維持修繕は,喫緊の課題であることがわかります。 全施設を保有し続けた場合の大規模改修及び更新費の総額は,40年間で約5,170億円,年間平均にすると約129億円となります。これは,過去5年間の平成21年から25年の普通建築事業費約56億円の2.3倍になります。 人口減少などから,どうしても公共施設を減らしたいとする意味は,一定理解できますが,その場合でも,市民生活を柱に考えることが大事です。 しかし,市の公共施設の再配置計画,市はこの計画をつくり,これから40年間で施設の総量を32%減らし,再配置をPPP・PFIの手法で進めるとしています。これは,単に,施設が減る話ではなく,将来の高知市の都市像にかかわる重要な問題です。 公共施設の再配置は,まちづくりであるという認識があるのかどうか,まず市長に伺います。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 公共施設は,さまざまな行政サービスを展開するための重要な拠点でもございますし,地域のバランスということは,当然,考えておかなければなりません。 公共施設等の再配置の計画の中に4項目,まず原則的なことを決めておりますが,1つは,将来の保有面積をふやさない。施設更新時には複合化,統廃合,最適化を行う。施設の機能別に整理を行う。施設整備の優先度を定める。これは,4原則ということになっております。 さらに,共通の考え方としまして,資産の有効活用によります財源の拡充を図ること。受益者負担に基づいた考え方を徹底すること。まちづくりを見据えた配置を行うというこの3つ目に入っておりますので,当然,全体のまちづくり,地域の活性化を目指したものの再配置の検討ということが,必要になるというふうに考えております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) どういう形で進めていくかという紹介がありました。高知市がつくっている都市計画マスタープランで,その基本的な考え方と方針が示されております。 その中では,市長が,繰り返し言ってきた持続可能な集約型都市構造を目指すとして,市内を14エリアに分けて,地域別の構想,問題提起も含めてですが,示されております。公共施設の再配置のやり方によっては,行政サービス,コミュニティ機能が後退する可能性も生まれてくると。 だからこそ,再配置計画は,その中身と進め方が大事になってくると思います。 高知市でも,交通網の条件,人口の増減は,地域ごとに違います。例えば,中山間,沿岸部は人口が減少していますが,北部エリアは増加傾向です。単純に,人口減少ということに合わせられない地域もございます。 市としては,どのようなエリア単位で再配置計画を進めていくのか,財務部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 弘瀬財務部長。 ◎財務部長(弘瀬優君) 再配置計画を進めるに当たっては,本市における公共施設の機能や特性の整理を行う必要があり,その特性の中には,御質問にございましたような,施設のカバーするエリアという考え方がございます。 かるぽーと,競輪場などの市に一つしかない大規模施設や,保健福祉センターや消防署などの拠点施設は大きなエリア単位で整備済み,または整備中です。 これらの施設については,基本的に,複合化や集約化といった形の再配置ではなく,個々の,施設サービスの必要性の検証,また,今後の運営,維持管理の効率化,さらには,長寿命化などでコストの縮減や利便性の向上による市民サービスの向上を目指した取り組みが必要と考えております。 一方で,公民館,集会所,老人福祉センターなどは,近隣で,同様の機能が重複している場合がございます。 また,窓口センターやふれあいセンターなどは,昨今の利用状況と将来的な市民ニーズを確認し,複合化などを検討する必要があることを考えております。 生活圏域という視点では,中学校区もしくは大街単位での人口当たりの保有延べ床面積などをベースに,検討を行いたいと考えております。 今後の人口動態も踏まえたまちづくりの視点から,適正な配置となるように,地域によっては小学校単位程度に,サテライト化で小規模施設を配置するなど,市民の皆様にとって平等で,より利便性の高い公共施設サービスの提供ができる配置になるように進めてまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 地域性を踏まえた,エリア単位での再配置の進め方というものを,大事にしていただきたいと思います。 もう一つ,大事な点として,合意形成のあり方です。行財政改革・新庁舎整備調査特別委員会でも視察に行きました。全国的にも,再配置を進めるに当たっては,地域ごとに,ワークショップを開いて,丁寧に論議を積み上げ,その上で計画をつくっていくということをしております。 高知市においても,削減ありきではなくて,住民の暮らしや施設ごとの目的を尊重した,将来の町に生きるような取り組みにしていただきたいと思います。 しかし,住民の声を広く聞くという仕組みがないですので,このままだと,総量規制の目標32%が印籠となって,40年間といえども,無理な統廃合や施設廃止が強いられ,結果的に住みにくい町になってしまうのではないかと心配します。 市長は,定例記者会見で,利用者との合意形成が非常に重要になると発言をされていますが,まちづくりとして,地域全体の合意形成のあり方には触れられていません。 地域性を踏まえた合意形成という点では,既に小学校が,核になっています。また同時に,市民協働部が進めております地域内連携協議会,こういった取り組みが,小学校の校区に1つずつ設けられていくという目標だともお聞きをしております。 既存のまちづくり団体との連携も含めて,小学校区ごとのワークショップというのも必要になってくるのではないかと思いますが,財務部長の見解を伺います。 ○議長(竹村邦夫君) 弘瀬財務部長。 ◎財務部長(弘瀬優君) 具体的な再配置計画の実施段階においては,それぞれの施設の機能や使われ方など,利用圏域も踏まえ,利用者の皆さんや地域の実情に沿った細やかな御意見の聴取が必要であると考えております。 御質問にもありますように,既存団体の皆さんとも連携しながら,ワークショップなどにより,今後の施設のあり方として,例えば,複合化した場合の施設の機能などを論議していただくことは,重要であると考えております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) ぜひ,丁寧な議論ができる場というものを市が率先して保障していくということをお願いしておきます。 また,市長は,定例記者会見で,個別施設の方向性も整理をすると発言をされていますが,真っ先に対象となるのが,面積が多い学校,公営住宅ではないかと思います。 しかし,それぞれには方針があって,学校は,校数を減らさない,公営住宅は,戸数を適正に確保していくということが示されております。これらの個別方針が,きちんと尊重されるのかどうか,財務部長にお聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 弘瀬財務部長。 ◎財務部長(弘瀬優君) 本市の公共施設マネジメントの基本方針における,基本的な考え方といたしまして,既存計画の個別方針とは,連携,相互調整を図っていくこととしており,社会情勢の変化や人口動態等を見きわめながら,今後の施設のあり方を検討してまいります。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 個別方針をきちんと尊重をするということを前提にしていただきたいのですが,前提にするかどうか,再度お聞きをいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 弘瀬財務部長。 ◎財務部長(弘瀬優君) 先ほど申し上げましたとおり,既存の個別計画につきましては,連携,相互調整を図っていくということで,現状の社会情勢の変化や人口動態も変わってきておりますので,そういうことも踏まえて,今後の施設のあり方を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 時間がなくなったので,これで終わりたいと思いますが,今回の施設の再配置,統廃合,町の集約化は,つまり,新しい形の合併だと思います。そういう点では,本当に地域住民の暮らしが守れるのか,市民も不安を感じているところです。 TPPも含めて,こういったのを進めたい国は,メリットばかりを強調しますが,地域のコミュニティにとっては,リスクがあるということも念頭に,住民が主人公の,地域性を踏まえた丁寧な合意形成を図っていただくことを強く要望いたしまして,以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(竹村邦夫君) 伊藤弘幸議員。  〔伊藤弘幸君登壇〕 ◆(伊藤弘幸君) おはようございます。公明党の伊藤弘幸でございます。 初めに,去る3月11日,死者1万5,893人,行方不明者2,553人を出し,多くの人命と日常を一瞬にして奪われた東日本大震災から6年が経過いたしました。 改めて,亡くなられた方々の御冥福を祈るとともに,今なお,避難生活を続けている方々に,心からお見舞いを申し上げます。 次に,今回の定例会の代表質問を聞いての,感想などを一言申し上げます。 市長は,代表質問の答弁の中で,下水道使用料金改定が不可欠だと述べられました。昨年12月定例会にて,我が会派の寺内議員が,水道使用料金の改定の質問をいたしました。上下水道事業管理者の答弁は,経営審議会の審議を受けてとの同じ答弁の繰り返しを聞くばかりでした。 水道法第1条には,水道の布設及び管理を適正かつ合理的にならしめるとともに,水道を計画的に整備し,及び水道事業を保護育成することによって,清浄にして,豊富低廉な水の供給を図り,もって,公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とするとあります。 私の思うところ,使用料金改定が既に決まっていることを避けながら,答弁をしていたと感じました。市民の生活に立った,上下水道局でありますよう望みます。このことについては,今後,十分に議論させていただくことを申し上げ,質問に入ります。 それでは,第459回高知市議会定例会において,通告に従い総括方式で私見及び提案を交え,質問させていただきます。 市民の皆様にわかりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。 観光振興について,お伺いします。 先月一日に,観光シーズン到来を告げる,恒例の南国土佐観光びらきの式典が開かれました。式典の中で,高知県観光コンベンション協会会長は,維新博を基軸に,他地域に負けないよう,さまざまな取り組みをしていきたいと意気込みを語っていました。 また,式典の中で,尾崎知事,岡崎市長以下関係者らが力強く観光の飛躍を誓い合って,ことしの観光シーズンへ出発しました。 本市も,他地域に負けないようさまざまな取り組みをすることが必要であると同時に,また,他の地域とのかかわりを持ちながら,観光振興を進めていくことも必要と思います。 そこでまず,北見市との交流を通した観光振興について,お伺いします。 1986年4月に姉妹都市提携を結び,物産展の開催や職員派遣などを相互に行っている北見市から,姉妹都市提携30周年を記念して,市民訪問団の方や商業関係者の方々一行を交え,100人以上が来高されました。第10回オホーツク北見フェアも,2月10日より13日まで4日間の日程で,ひろめ市場で開催され,大盛況であったと伺っています。 本市でも,北見フェアを全力でサポートされたと思います。また,岡崎市長も歓迎の挨拶の中で,30年の節目に観光,経済,文化の交流を進めたいと語っておりました。 そこで,今回のオホーツク北見フェアにはどれだけの集客があり,売り上げがあったのか,お伺いします。 また,今後の,本市と北見市の観光や経済面での交流発展に向けて,先月開かれた,オホーツク北見フェアのよかった点,課題等について感じられたことをお伺いします。 私も,昨年10月に北見市に姉妹都市提携30周年を記念する訪問団として,視察させていただいた折に,地元議員の方より,北見では,厳寒マイナス15度の2月に,野外で焼き肉を囲んで市民交流を目的とするイベントが大盛況している旨のお話を聞き,それが北見の文化を知るよい機会であるとお聞きしました。これは,視察時のパンフレットにも紹介されておりました。 ここで,観光行事の少ない2月の観光びらきの直後に行われる,高知市,北見市相互交流の中で,市民交流を目的とした野外での焼き肉のイベントを企画し,提案ですが,できれば2月9日,肉の日に合わせて,開催の御検討をお願いします。 ことし1月12日に,龍馬の生まれたまち記念館が,2004年の開館以来,龍馬ファンがふえ,このたび,来館70万人達成で幕末博に弾みがつきました。来高された方が,セレモニーの中で,龍馬が大好きで乙女さんにも興味があったので同館を訪れたとのコメントでした。 高知市には,まだまだ,幕末期,歴史を動かした多くの偉人たちがいます。全国に,高知をアピールする魅力ある存在をどう活用し,光を当てていくかが問われていると思います。 龍馬の生まれたまち記念館の上野館長も,「志国高知 幕末維新博」を起爆剤に,100万人を目指したいと話していました。 観光客の定着化に向けて,土佐の高知らしいイベントや土佐のおもてなしを全国に発信し,定着するためにアクションを起こしていくことが重要です。 既に,3月4日より「志国高知 幕末維新博」が開催されています。 そこで,「志国高知 幕末維新博」の成功に向けて,県と協力をしながら,どのようなアピールをしていくのか,お伺いします。 先月,地方紙に,幕末維新博推進協議会から委託を受けている高知広告センターが,高知会場の展示内容や周辺の観光案内をするガイドスタッフを募集している記事が載っておりました。 観光ガイドの現状は,観光ガイドボランティア協会の方々の頑張りに頼っている状況にあり,将来の,観光,土佐を案内する人材育成が急務であり,多言語に対応する人材も必要であります。 観光面での,人づくり塾を開設しているとお聞きしているが,平成28年度の実績をお伺いします。 地方紙に,観光庁は,ことしに入り,2016年に日本を訪れた外国人旅行者の消費額が,推計で,前年比7.8%増の3兆7,476億円となり,過去最高を更新したと発表がありました。 訪日客が,21.8%増で2,403万9,000人と最多になったが,1人当たりの消費額は11.5%減少,総額の伸びは,2015年の71.5%から急激に縮小し,中国客らの爆買いが鎮静化しました。 政府は,2020年に訪日客を年間4,000万人,消費額を8兆円に引き上げる目標を掲げますが,東京,京都,大阪などゴールデンルートは,宿泊施設の不足が深刻な状況で,今後は,自然や文化財といった観光資源が豊富な地方への誘客を強化することも課題となり,観光庁の記者会見で,観光施策を着実にやっていけば,目標の達成は不可能ではないと指摘しています。 また,今月3日,観光庁は,2016年に泊まった外国人客の延べ人数が,前年比8%増の推計7,088万人の速報値ですが,過去最高を更新したと発表がありました。伸び率は,3大都市圏の4.8%に対し,地方が13.2%と,好調だったそうです。 今こそ,私たちは,これをチャンスと捉え,よさこい踊り,龍馬マラソンなどのイベント,例えば花であれば三里,グロリオサ,春野のトマトや土佐山のショウガやユズなどの食,雄大な太平洋などの自然,景観。メジャーではないが,すばらしい高知市の観光資源を全国に,また世界に,たゆまなく売り込んでいかなければなりません。 ここで,観光振興に一つ一つ布石を打っておられる市長に,今後の,観光,高知のビジョンをお伺いしたいと思います。 続いて,下水道事業について,お伺いします。 日本の下水道事業は,世界的に技術が進んでいます。実際,インフラメンテナンスの分野で,日本のすぐれた技術は,世界で十分に競争する力がある。老朽化した下水道管を,地中に埋設したまま再生する工法を開発した国内企業は,各国の下水道管補修の分野で,高いシェアを獲得しています。 また,国土交通省は,2013年に下水道分野におけるISO55001適用ガイドライン検討委員会を立ち上げ,インフラ全体を見渡すと,ようやく,緒についた段階と言えます。国土交通省は,2013年をメンテナンス元年と位置づけて,重要施設を重点的に緊急点検し,翌年には,インフラ長寿命化計画を定めて,老朽化対策を推進しています。 市民にとって,下水道管は見えなく,そして,下水道管は地中深く布設しているので,余り意識がありません。 また,生活インフラとして優先順位が低く,軽視されがちで,見落とされがちな下水道は,上水道に比べると深刻です。下水道整備の進展に伴い,日本列島の地下には,平成27年度末で,地球の11周以上で約47万キロメートルに上る下水道管があります。そのうち,布設後50年を経過した老朽管が1万キロメートル以上あり,今後,さらに大量の老朽下水道管が,更新時期を迎えます。 本市でも,同様の状態であると考えられます。現在,本市において,布設50年を経過した老朽下水道管の総延長は,どのくらいあるのか,お示しください。 高度経済成長期に整備された老朽下水道管による道路陥没は,日本全土で後を絶たず,平成27年度の1年間で,約3,300カ所で発生しています。 現在は,アスファルト舗装のため,道路舗装下が空洞となっても,発見がおくれる可能性があり,下水道管が破損したところから周りの土砂が下水道管に流れ込み続けて,空洞化が広がると,道路陥没などの大変危険な状態を引き起こします。 50年を超える老朽下水道管の中には,陶管やコンクリート管のような,もろく破損しやすいとされる下水道管があり,緊急輸送道路などの交通量が多い道路などで道路陥没が発生すると,大事故が懸念されます。 そこで,現在,市内全体で陶管やコンクリート管はどのくらいあるのか,そのうち耐用年数50年を超えた老朽下水道管延長は,どのぐらいあるのか,お示しください。 また,あわせて,この近年,老朽下水道管の緊急的な修繕が何件あったか,どのような原因であったか,内容をお聞かせください。 昨年,上下水道事業管理者が6月定例議会にて,老朽下水道管対策として,緊急的な修繕箇所については,テレビカメラ調査などで修繕工事を行う事後対応型で,老朽下水道管が増大することから,長寿命化計画の策定とともに官民連携なども研究し,予防保全型の計画的な維持管理に,早急に取り組むお答えでした。 また,下水道事業におきましては,平成28年度から,国土交通省の定めるストックマネジメント計画の策定に着手し,交付金を活用した計画的な更新に取り組むとの答弁でした。 ここで,今後の,老朽下水道管対策に交付金を活用したストックマネジメント計画の概要と,老朽下水道管の更新費用について,お示しください。 消防行政について,お伺いします。 昨年,12月22日午前10時半ごろ,新潟県糸魚川市における大火は,折からの強風の影響で,火災は広がり,市の消防本部によると,燃えた住宅や商店などは147棟に上り,延焼範囲は,約4万平方メートルと広範囲に及びました。出火から10時間以上たち,市消防本部に,これ以上の延焼のおそれがないと発表が出されました。 気象庁によると,出火当時,強風注意報が出ていました。この大規模火災を契機に,住宅や店舗などが密集した市街地における大火の危険性や消火活動の難しさが,改めて浮き彫りになりました。 糸魚川大火の教訓を,高知市消防局はどのように認識されているのか,お伺いします。 今回,被害が広がったのは,強風による飛び火が主な原因です。その点,普及が進んだとはいえ,建物の防火対策が,不徹底だったと言わざるを得ません。被災した市街地は,建築基準法に基づく準防火地域に指定されており,民家を新築すると,屋根,外壁,窓に防火性能が必要になります。 しかし,古い建物は,十分な対策が進んでいないのが実情です。こうした実態は,全国に共通していると思います。 具体的には,窓ガラスの強化が必要です。準防火地域でも,窓の防火性能の確保は立ちおくれています。普通,ガラスの窓は,火災の熱で割れ落ちて,飛び火が入りやすく,建物が立て込んだ場所の窓は,ガラスだけでも割れ落ちにくい網入りガラスにかえるなど,普及を急ぐべきだと言われています。 密集市街地の不燃化対策といっても,高齢者や人口減少によって,建てかえは容易ではなくなっています。火事を,ほかの建物に広げないとの視点で建物を改修するなど,地道な取り組みが求められています。 ここで,本市の地形や地域の実情に合わせた消防戦略について,お伺いします。 また,本市の昔ながらの木造住宅密集地域等の消火対策について,取り組みをお伺いします。 今回,空き地や駐車場が延焼拡大を食いとめ,消火活動のスペースとしても活用されましたが,今後のまちづくりにおいて,こうしたオープンスペースは,防災の観点で重要です。 自治体の,消防力不足を指摘する声もあります。糸魚川市の消防責任者も,消防力,消防不足を認めていたが,人口をもとに決められる消防車の台数は,基準を満たしていた。 しかし,近年,自治体の合併が相次ぎ,一つの自治体の面積が広がっている上,過疎化も進んでいます。地形や住宅の密集状況など,地域の実情に合わせた消防戦略が不可欠です。 火災は,初動対応が肝心で,消防団など担い手の存在は貴重であります。全国的に,高齢化や人口減少によって年々減っております。 しかし,消防職員をふやすことは,自治体財政の面で難しい。消防装備の充実が進んでも,担い手の縮小が進む状況は,全国共通であります。 だからこそ,火災に対する住民の意識が問われています。全国どこでも,糸魚川市のような大火は起こり得ると肝に銘じるべきだと思います。 自主防災の意識向上の機会とすると同時に,火災が,消防力を超えないよう迅速に対処するための地域防災戦略や,各家庭において,早期に火災を報知する住宅用火災警報器の設置促進も重要な取り組みです。 また,総務省消防庁は,このほど,住宅用火災警報器の設置から10年を過ぎた住宅用火災警報器の交換を呼びかけています。 それは,劣化すると本体内部の電子部品が火災時に感知しないおそれがあり,一部機器の老朽化が懸念されるという。 住宅用火災警報器の設置は,2006年6月,新築以外を含めて全ての住宅が,2011年6月までに義務化されました。設置済み住宅は,昨年6月で81.2%程度ですが,住宅火災による死者は,2015年に全国で914人に上っています。 住宅用火災警報器は,火が燃え上がる前に煙を感知し,鳴り続け,逃げおくれを防ぐ目的であります。 総務省消防庁の調べによると,2009年に建物火災で死亡したうち,約9割が住宅火災です。死者を年齢別に見ると,65歳以上の高齢者が6割と半数を占めており,今後,さらに高齢化が進んでいくことで,死者の増加が懸念されています。 ここで,本市における5年間の火災状況と,また,出火原因はどのようなものであったかお聞きします。 消防庁の呼びかけに応じて,一般財団法人日本火災報知機工業会が,設置から10年を目安に,住宅用火災報知機の交換を促すチラシや冊子を作成,死者が多い高齢者世帯を重点的に訪問するほか,商業施設などでも配布するなどの周知が必要だと思いますが,本市における住宅用火災警報器の普及に係る取り組みについて,お伺いいたします。 次に,軽自動車の救急車配備についてお伺いします。 救急車の基準は,隊員3人以上,傷病者2名以上の収容が条件となっていましたが,平成23年,消防庁の規制緩和で,軽自動車の救急車への改良が認められて以降,離島や中山間地域への軽救急車が普及しています。 現在,高知県においても,南国市消防本部と土佐市消防本部が軽救急車を配備しています。両消防本部は,中山間の狭隘な道路を,救急車が入れない地区からの要請に,軽救急車が救急車とペアで出動,現場まで乗りつけ,傷病者を処置,救急車の待機地点まで搬送し,救急車に乗せかえ,医療機関に搬送するという連携運用を行っています。 平成29年10月の(仮称)高知市北消防署の開署に合わせて,導入予定の軽救急車の有効性について,消防局長の見解をお伺いします。 以上で,第1問を終わります。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問いただきまして,私からは観光関連についてお答えを申し上げたいと思います。 まず,「志国高知 幕末維新博」の成功に向けて,どういうふうにアピールしていくかという御質問にお答えを申し上げます。 去る3月4日,御質問の中にもありましたように「志国高知 幕末維新博」が華やかに開幕をいたしまして,私は残念ながら出席することはできませんでしたが,オープニングセレモニーには,約3,500人に上ります多くの県民,市民や,また,観光客の方々にもお越しをいただきまして,2年間にわたる博覧会が,華やかにスタートを切ることができました。 高知市におきましても,大政奉還150年,明治維新150年に当たるこの2年間を,大きなチャンスとして捉えまして,博覧会全体の取り組みを,県と連携して盛り上げてまいりますとともに,高知市の地域会場でもあります龍馬の生まれたまち記念館,自由民権記念館のブラッシュアップ等を通じまして,県域における435万人観光の早期達成と,これを平常化していくという取り組みを進めてまいらなければいけないと考えております。 大政奉還の実現後,その後,すぐ,11月15日に坂本龍馬が京都で暗殺をされておられますので,坂本龍馬の没後150年ということにもなりますので,坂本龍馬没後150年のさまざまなイベントが,全国各地でも開催されるということとも連携をしたいと考えております。 高知県と連携をいたします幕末維新博のプロモーションにおきましては,さまざまなメディア,また,SNSの活用や,県内外におけますPRのイベントのそれぞれの実施や民間企業とのタイアップなどの情報発信を,さらに進める取り組みを行いまして,全国に,博覧会の開催を通じて,高知の魅力をPRしていくということにしております。 先週の週末も,高知城歴史博物館はすごい観光客であふれておりまして,課題として,周辺の駐車場が満杯で,なかなか入れないという状況が長い時間続いておりましたので,近隣への駐車場の誘導ということが,直近の課題ということになっていると認識を持っております。 今後の本市独自の誘客の活動としましては,京都を初めとします幕末維新でゆかりの地,全国で21の市と特別区と一緒になりまして,大政奉還150周年記念プロジェクトを全体でつくり上げておりますので,それぞれの取り組みの中でも,維新博をPRするとともに,東京の浅草にあります,まるごとにっぽんでのイベント等を積極的に活用して,誘客につなげてまいりたいと考えております。 続きまして,観光振興におけます高知市のビジョンについての御質問にお答えを申し上げます。 全体の計画としまして,平成26年3月に高知市の観光振興計画を策定しておりまして,「龍馬とよさこいとおもてなしあふれる観光交流都市 高知」をテーマとしておりまして,観光客が,行ってみたい,また来たいと思う観光のまちづくり。市民が,愛着と誇りを持てる観光のまちづくりという基本目標を設定しまして,その目標実現のために,3つの基本政策を柱に事業を展開するということになっております。 1つ目の柱としまして,新たな観光魅力の創造につきましては,龍馬のふるさと魅力づくり事業としまして,それぞれ,平成27年に龍馬の生誕180年の事業を展開しておりますが,今年度は,先ほど申し上げました「志国高知 幕末維新博」や龍馬没後のそれぞれの150年の全国のイベント等と連携をすること,また,桂浜公園の魅力の向上としまして,整備基本計画にも着手をしているところでもございます。 食の魅力を生かした観光の推進としましては,現在,雇用創出促進協議会と連携をしておりまして,オキウルメ等の地場産品を生かした,食の開発等を協議し進めておりますとともに,本家よさこい祭りを,全国にも発信をし,2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けて,県とともに,その実現を目指しているところでもございます。 これに関しましては,東京大会での,よさこいの演舞の実現を目指します(仮称)よさこいおもてなし実行委員会を,今月下旬に立ち上げる予定をしておりまして,今月23日には,東京都内でキックオフのイベントを行うということになっております。 また,このイベントを行うとともに,オリンピックの東京大会の競技大会組織委員会や,東京都のオリ・パラの準備局などへの要望活動も行うという予定をしております。 2つ目としまして,観光客の誘致と情報発信の柱を立てております。 効果的な観光プロモーションの推進としまして,昨年度,ふるさと旅行券の販売に合わせたプロモーションを実施するとともに,多様な媒体を活用しました情報発信の中では,浅草のまるごとにっぽんの出店や,また,スマートフォンやタブレット向けの情報発信としまして,SNSの活用や動画のコンテンツの作成を実施してきております。 また,インバウンド観光の推進につきましては,今月もクイーン・エリザベスが入ってまいりますけれども,クルーズ大型客船の対応や,台湾での観光プロモーション,外国人向けの受け入れ態勢等の強化としまして,Wi-Fiの整備の充実や多言語化の看板,パンフレット等の作成を継続して行っております。 3本目の柱で,まごころ観光の充実を柱としておりまして,観光案内機能の充実や宿泊施設の耐震化の支援を初め,おもてなし力の向上のための研修にも取り組んでおります。 それぞれ,PDCAサイクルをしっかりと検証し,改善を重ねながら,できるだけ数値目標も設けておりますので,成果指標の中では,平成30年の観光客の入り込み数を317万人を目指しておりますし,市内の延べ宿泊者数につきましては,延べで125万人泊以上。 また,県外から来られました観光客の消費額については900億円以上を目指して,高知市の観光満足度については,80.9%の目標の数値を掲げておりますので,これを着実に実施できるように,さまざまな施策を精力的に展開してまいりたいと思っております。 その他の御質問の項目につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○議長(竹村邦夫君) 中澤商工観光部長。 ◎商工観光部長(中澤慎二君) 観光振興の御質問にお答えします。 まず,オホーツク北見フェアについてですが,ことしのフェアは,2月10日から13日の4日間,昨年と同じひろめ市場のよさこい広場で開催されました。 ことしは,高知市,北見市姉妹都市提携30周年であり,かつ,オホーツク北見フェアとして,北海道物産展から独立して10回目という記念の開催でもありました。 オープニングセレモニーが行われた10日は,あいにく,午後から珍しく雪が舞うなど,この冬の高知では特に寒い1日となり,初日の売り上げは,昨年と比較して7割程度であったとお聞きしています。 翌日以降は,好天にも恵まれ,入場者数はカウントしておりませんけれども,4日間合計の売り上げは,767万円で昨年比106.5%となり,主催した北見市の姉妹都市物産交流事業実行委員会の皆様には大変喜んでいただきました。 次に,ことしのフェアのよかった点と課題点についてお答えします。 ことしのフェアでは,北見藤女子高等学校の生徒さんが,北見市と高知市の姉妹都市関係を,もっと皆さんに知っていただこう,また,北見やオホーツクを,もっと明るくしようというコンセプトのもと,高知のユズとオホーツク小麦を融合したラスク「ゆず三姉妹」と,オホーツク海の純度の高い塩や道産サケを使用した栄養豊富なふりかけ「食べる土佐茶」を開発し,販売していただきました。 これまでも,北見市の事業者が,同様に高知のユズとコラボした菓子製品を製造し,北見フェアでも販売していただいておりましたが,特に今回の商品は,来場された高知のスーパーチェーンの担当者の目にとまり,今月開催の北海道フェアの商品として販売されることとなったとお聞きしており,フェアの効果として,うれしく思っております。 一方,課題については,今回,初日が高知では珍しく雪の降る天候になりましたことから,北見市の主催者側が,開催時期を2月中旬から,もう少し暖かくなる下旬に変更できないか検討されているとお聞きしております。 フェアの終了後には,本市職員も協力して,商品構成や開催時期についてのアンケート調査も実施しましたので,今後は,その結果も参考に,オホーツク北見フェアを通じて,高知と北見の市民同士の交流がさらに深まりますよう,事業の充実に取り組んでまいります。 次に,観光面での人づくりに関する御質問にお答えします。 「志国高知 幕末維新博」での地域会場や周辺観光の案内をしていただくガイドスタッフについては,各地域で,以前より活躍されている団体等にお願いしているということですが,連日の出勤体制となることなどから,県内の地域によっては,人材が不足し,新聞でガイドスタッフを募集しているとお聞きしています。 本市におきましては,平成元年4月27日に土佐観光ボランティア協会が設立され,昨年4月時点で観光ガイドをしていただいている会員が123名となっており,現在,地域会場での案内等で大変お世話になっております。 観光ガイドを養成する講座は,昭和63年に1回目が開催され,その後は,3年から4年に一度行われていますが,直近では,今回の幕末維新博に合わせて昨年9月から12月まで第11回目の養成講座が開催されたところです。 第1回から今回までの受講者数は,合計で483名,そのうち修了者は426名となっております。また,昨年の受講生は男性22名,女性17名の計39名で,そのうち修了者は34名となっており,33名の方が土佐観光ボランティア協会へ御入会いただき,4月からのガイド用務に備えて,現地研修等に取り組んでおられます。 以上でございます。 ○議長(竹村邦夫君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 下水道事業に関連する御質問に順次お答えいたします。 まず,本市の下水道管の総延長は,平成27年度末時点で,分流汚水管,雨水管,合流管の合計で約1,022キロメートルとなっております。そのうち布設後50年を経過した下水道管の総延長は,約53キロメートル,5.2%となっております。 次に,陶管やコンクリート管の布設延長につきましては,平成27年度末時点の陶管の総延長は約69キロメートル,コンクリート管の総延長は約10キロメートルとなっており,総延長の7.8%程度です。標準耐用年数である50年を超えた陶管の延長は約27キロメートル,コンクリート管の延長は約10キロメートルでございます。全体の3.6%程度となっております。 次に,老朽下水道管の緊急的な修繕件数と原因についてでございますが,埋設後50年以上を経過した下水道管は,主に中心市街地の合流式下水道で整備した区域に集中しております。これらの地区での老朽下水道管の緊急的な修繕につきましては,年間20件程度,宅内排水設備と本管を接続する主に取りつけ管で発生しており,老朽化による破損や継ぎ手のずれが原因となっております。 最後に,ストックマネジメント計画についてでございますが,下水道ストックマネジメント計画は,ステップ1として,これまでに整備した施設情報を整理し,老朽下水道管による道路陥没等が発生した場合の影響や発生確率を評価した上で,優先順位をつけた施設の点検,調査計画を策定するものです。 ステップ2として,点検調査計画に基づき,下水道管の目視点検やテレビカメラ調査を順次行い,施設の劣化状態を把握,評価した上で修繕改築計画を策定し,対策工事を行うこととなっております。 また,ステップ3の段階ではPDCAサイクルを回し,定期的な見直しを図ることによりまして,長期的に下水道施設の維持管理を行っていくものでございます。 本市の下水道ストックマネジメント計画につきましては,平成28年度に着手し,ステップ1の下水道管の種類や大きさ,経過年数,埋設位置などの情報を整理した上で,優先順位をつけた施設の点検調査計画を策定することとしております。 また,更新等の費用につきましては,上下水道事業の経営審議会にお示ししました資料で,今後10年間の投資計画では,年間2億円から4億円程度を見込んでおります。老朽下水道管の対策につきましては,財源が縮小する中で,将来にわたり継続した取り組みが必要となります。既に,官民連携の取り組みが全国的にも始まっているとお聞きしておりますので,情報収集に努め,安定した下水道サービスの提供に努めてまいります。 ○議長(竹村邦夫君) 宮脇消防局長。 ◎消防局長(宮脇良平君) まず初めに,昨年12月22日に糸魚川市で発生しました大火により被災しました皆様に,心よりお見舞い申し上げますとともに,一日も早い復興をお祈りいたします。 御質問の糸魚川大火の教訓でございますが,昨年末に火災のあった糸魚川のこの地域は,地形の関係もありまして,強風が吹くことが多く,過去,昭和3年,7年,29年にも大きな火災が発生しており,35年に準防火地域に指定されております。 しかし,御存じのとおり,今回の火災は,出火から鎮火までの間,平均風速10メートル前後,最大瞬間風速は20メートル前後で推移しておりまして,消火活動は困難をきわめ,消火活動中の消防団員を含み17人,うち消防団員15名が負傷,焼失家屋は147棟に上るなど,平成に入ってからは類を見ない火災となりました。 今回の火災を受け,総務省消防庁は,糸魚川大規模火災を踏まえた今後の消防のあり方に関する検討会を立ち上げまして,今回の消防活動等を検証した上で,今後,取り組むべき火災予防,消防活動,消防体制等の充実・強化のあり方について検討することとしております。 木造住宅が密集した地域を含め,地形や町並みなどについて消防力の整備指針を勘案する要素とするなど,消防体制等を見直そうとしております。 このように,今回の火災は,社会環境の変化に対応し,消防責任を担う市町村が,的確にその役割を果たすために必要な施設及び人員について,消防庁長官が定めた消防力の整備指針をも再検討しなければならない,消防行政を,大きく揺るがす災害となりました。 私どもも,今回の火災で,地震災害だけでなく強風によっても,一たび,消防力が劣勢になると,準防火地域であっても容易に大火につながる危険性があることを改めて思い知らされました。 消防局では,昨年末に幹部職員に対しまして,強風下や火災気象通報時の基本的な消防活動の再徹底を含め,管轄の火災防御が困難な場所や古い木造住宅が密集する地域などの警防計画の再点検を指示しておりますが,なお,住民の皆様にも,火災を発生させない意識を向上させていくことが重要であると考えております。 次に,地域の実情に合わせた消防戦略についてお答えいたします。 昭和23年,消防組織法施行により,自治体消防として発足して以来,本市におきましても,大火と定義されます10棟以上の建物が全焼する火災は,40年を最後に16回発生しております。 この間,消防力の整備指針が改正されたことなどを受け,昭和37年の高知市消防審議会によりまして,消防職員の増員や消防署所の分散配置などの提言がなされ,38年の旭出張所の開設を皮切りに,40年には長浜出張所,45年には東消防署の開設など,時代時代に応じた消防署所の分散配置による,災害への初動対応を強化していくといった消防戦略が確立,展開されてまいりました。 これ以降も,高度経済成長による,都市化の進展や近隣市町村との合併による市域の拡大,高知駅周辺の鉄道高架や幹線道路の整備による都市機能の充実が進む一方で,高齢化による救急需要の増加や複雑多様化,大規模化する災害への対応など,消防行政を取り巻く環境は,目まぐるしく変化してきました。 こうした状況を受けて,平成17年には高知市消防整備計画1999を策定し,総合的な消防体制の強化を図っていましたが,平成17年の旧鏡村,土佐山村との合併,20年の旧春野町との合併による市域の拡大や,南海トラフ地震を震源とする巨大地震の発生が懸念されるなど,さらに,消防行政を取り巻く環境が変化してきました。 そこで,平成27年には,高知市消防署所再編計画2015を策定し,今後の本市消防行政のあるべき姿の基本的な方向性を示す計画として,消防署所の適正配備,消防庁舎の集約化による人員,車両等の効率的な編成を行うことで,通常災害はもとより,大規模災害への対応体制の強化を図ることとしました。 現在は,再編計画の中期でございますが,再編計画が完了する平成32年度には,拡大した市域の旧鏡村,土佐山村は(仮称)北消防署が,同じく春野町は南部分署が南消防署となって管轄するなど,バランスのとれた消防体制が構築できますので,災害対応の基本となる迅速,的確な初動対応が,より確立されるものと考えております。 また,本市の消防戦略に欠かすことのできない非常備消防の活性化や消防団員の増員を図ることによって,地域の防災力を高め,常備消防,非常備消防が一丸となって,災害対応に当たることで,火災を初めとしますあらゆる災害から,住民の皆様の生命,身体,財産を保護してまいります。 次に,本市の昔ながらの木造住宅密集地域等の消火対策について,お答えいたします。 この木造住宅密集地域等は,総体的に道路事情が悪く,火災が発生したときに消防車両の迅速な進入が困難であるなどの支障要因があります。 また,これに加え,建物と建物が近接していることが多く,初動の消防活動を誤ると大火になり,大きな被害を発生させる可能性があります。 火災は,出火から放水開始までの時間が短いほど,延焼のおそれが少ないことから,各消防署所では,管内の住宅密集地域などの火災が発生すれば,大きな被害をもたらす可能性がある地域や重要文化財等の消防対象物について火災防御計画を作成し,消防車両の進入経路や筒先配備部署,これは,放水ノズルの配置場所のことでございますが,などを事前に指定するなど,火災が発生した場合に迅速かつ効果的に対処し,最小限の被害でとどめることができるように計画を策定しております。 また,このたびのような強風下における消防活動においては,出動台数,出動経路,ホース延長,進入,注水方法など,通常の消火活動とは異なる特別な消防戦術が必要となりますが,ここでは,飛び火がある場合の防御戦術について,簡単に御説明させていただきます。 まず,飛び火が発生した場合は,飛び火の大きさ,飛翔距離などから判断し,風下一帯の住民に対して,窓を閉める,燃えやすいものを屋内にしまうなどの広報を早期に行うとともに,飛び火の方向,距離などを予測し,状況により,水槽つきポンプ車による遊撃隊が予備散水を行うなど,飛び火を初期段階で鎮圧する消防戦術をとることとしております。 強風下の火災においても,出火建物のみでの鎮圧を目指すこととしておりますが,悪条件が重なった場合などで消防力が劣勢となり,市街地火災に発展するおそれがある場合には,時機を失することなく,消防職員の非常招集や消防分団の追加出動などを行い,常備,非常備の全消防力を結集し,対応することとしております。 次に,5年間の火災状況と出火原因等についてお答えいたします。 火災件数は,平成24年が122件。25年が151件。26年が108件。27年が99件。28年が82件であり,過去5年間の総火災件数は562件となっておりますが,連続放火のありました25年度を除きますと,火災件数は年々減少傾向にあります。この562件のうち,建物火災は342件発生しておりまして,全体の約60%を占めております。 出火原因は,いずれも5年間総件数で,放火及び放火の疑いによるものが130件,たばこの不始末などによるものが77件,コンロのかけ忘れなどによるものが66件,たき火の拡大などによるものが42件,電灯,電話等の配線からの出火が32件となっておりまして,上位5つの出火原因で全体の61.7%を占めております。 また,死者は,平成24年が6人。25年が7人。26年が6人。27年が5人。28年が6人であり,過去5年間で,30人の死者が発生していますが,住宅火災で亡くなられた方は,自損行為による死者を除きますと22人であり,そのうち20人は住宅用火災警報器の設置がないもの,または設置状態が不明のものでございました。 次に,住宅用火災警報器の普及に係る取り組みについてお答えします。 住宅用火災警報器は,設置から10年程度が経過すると,電子部品の寿命や電池切れなどによりまして,火災を感知しなくなることがあるため,設置後10年を経過したものについては,機器自体を取りかえていただけるよう,総務省消防庁を中心に取り組みを進めております。 消防局におきましても,住宅用火災警報器の設置広報用チラシの内容を一部改定しまして,設置した住宅用火災警報器は10年経過または電池切れになっていませんか。という項目を追加しまして,町内会の回覧等やイベント等を通じて広報することで,対応を図っております。 先ほどお答えしましたとおり,住宅火災で亡くなられた22人のうち20人が住宅用火災警報器の設置がないもの,または,設置状態が不明な住宅で死亡している実態もございます。 今回の,住宅用火災警報器の交換も含めまして,未設置住宅への設置促進など,あかるいまちや大型商業施設に御協力をいただきながら,ポスターを掲示させていただくなど,さらに,取り組みを強化していかなければならないと考えております。 最後に,軽救急車の有効性についてお答えいたします。 軽救急車の導入につきましては,数年前から,たくさんの皆様から御意見をいただいておりまして,消防局としましても,先行導入の土佐市消防本部や南国市消防本部などから運用時のメリットやデメリットについて聞き取り調査を行うとともに,中山間地区の実態調査を行ってまいりました。 軽救急車の利点は,これまでストレッチャーを曳航し対応せざるを得なかった場所に進入が可能となることで,傷病者接触までの時間や処置開始までの時間が短縮されます。 また,高規格救急車と軽救急車をセットで出動させることにより,車内スペースの関係上,軽救急車に設置できない高度救急資機材を救急隊員とともに高規格救急車から乗せかえ,搬送することで,救急現場でいち早く救命救急処置が行え,救命率の向上や重症化の軽減につながると考えております。 さらに,(仮称)北消防署の開署によりまして,中山間地区への対応が,より迅速となることで,軽救急車の導入がより効果的となり,傷病者の負担の軽減につながるなど,その有効性が発揮できると考えております。 なお,中山間地区での軽救急車の運用の効果を検証しながら,将来的には,市街地における運用についてのありよう,効果についても研究してまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 伊藤弘幸議員。 ◆(伊藤弘幸君) 市長を初め商工観光部長,また上下水道事業管理者,また消防局長,御答弁をありがとうございました。 また,井上副市長,本当に2年間ありがとうございました。最後に,退任されますが,高知のことはしっかりと,また,今後ともお世話をしていただきたいと,こう思っておりますので,今後ともよろしくお願いいたします。 以上で,質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(竹村邦夫君) この際暫時休憩いたします。  午前11時58分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後0時59分再開 ○副議長(長尾和明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 迫哲郎議員。  〔迫哲郎君登壇〕 ◆(迫哲郎君) 日本共産党の迫哲郎でございます。個人質問を行います。 東日本の大震災,福島原発事故から6年が経過いたしました。お亡くなりになられた方,震災関連死として犠牲になられた多くの方々の御冥福をお祈りし,質問に入ります。 まず,財政問題について,お伺いいたします。 高知市の2017年度新年度予算案は,財政再建を使命と任じてきた岡崎市政下で初めてとなった昨年に引き続いて,市債の新規発行額が返済額を上回る予算となっています。 その額は,昨年は8億円でしたが,今回は46億円,去年の5倍の規模で借金がふえる予算案ということです。しかも,予算案は,基金の大幅な取り崩しを行って,なお,起債が大幅にふえていますので,より深刻です。 高知市のホームページには,高知市の借金時計が動き続けていますが,2015年度,2016年度,そして新年度,それぞれの一般会計での1日当たりの増減額,年度末の借金残額の前年度比での増減額はどうなっていますか。財務部長にお聞きいたします。 ○副議長(長尾和明君) 弘瀬財務部長。 ◎財務部長(弘瀬優君) 本市の借金時計における平成29年度末の残高見込みにつきましては,28年度末での起債借り入れや29年度への繰越事業に伴う起債発行額が確定する本年6月ごろ更新する予定でありますことから,27年度が実績額,28年度及び29年度は現時点での見込み額によるお答えとなります。 一般会計での借金残高は,平成27年度末の約1,933億円から28年度末の2,025億9,000万円,29年度末の2,092億5,000万円と,順に増加し,28年度末から29年度末にかけての1日当たりの借金増加額は約1,820万円になる見込みとなっております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) かなり借金を減らしてきましたけれども,ここに来て,大幅な借金増が続いていると。新年度の答えがありませんでしたけれども,冒頭に申し上げましたように,大きな借金規模,公債費の増額ということになっておりますので,深刻な状況になっているというふうに思います。 当初予算で見ると,2013年度は,これは単純な市債の発行から公債費を引いた分ですけれども,2013年度が106億円,14年度で100億円,2015年度が53億円減少と,それぞれ減少してきましたけれども,増加に転じているということで,借金時計が逆に回っているということだと思います。 3カ年平均の実質公債費比率は,平成27年度決算報告では15.0%と下がってきたということでしたけれども,市長は,これでも中核市最下位だと,まだまだ高いと認識していると言ってきました。 ところが,この先,再び借金比率が上がっていくのではないですか。私は,この間,長期の起債償還の見込みを議会に示すように求めてきましたが,市長は,5年先までしか示していません。 起債償還のピークは,今から7年ないし8年先ではないかと想像しますけれども,今回の予算案を含めて,起債償還のピークは何年度の見込みですか。その額と,その年度の実質公債費比率の見込みを,市長にお聞きいたします。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 新年度予算の編成に合わせて作成をしました公債費の将来推計でございますが,実施計画の4カ年が,今回,固まりましたので,そのハード事業を前提に試算を行い,一般会計におけます元金償還額につきましては,平成29年度の165億円からほぼ横ばいで推移した後に,33年度から徐々に上昇し始め,35年度には起債償還のピークとなる約180億円程度に達した後に,翌年の36年度以降から減少に転ずる試算結果となっております。 このことに伴う実質公債費比率につきましては,財政健全化法に基づく早期健全化基準等の判定の際に用います3カ年平均値ですが,平成36年度にピークとなる17.1%になる見込みであり,37年度以降から,順次,低減をしていく推計結果となっております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) ありがとうございます。初めて,議会で,このピークが,平成35年の公債費額で言うと180億円を超えると,そういう金額が明らかになりました。 その後,公債費比率でいうと17.1%と,高知市で財政非常事態宣言を行った18%を超えるようなところまではいかないにしても,かなり財政運営が今後硬直化していくという,そういう見込みが示された数字ではないかと思います。 市長は,昨年も,財政健全化などの計画は,つくらないと,予算編成の中で調整がつくというふうに答弁してきましたが,財政収支の見込みについて,せめて起債償還が落ちついてくる,先ほどの答弁で言うと,平成36年度以降ですけれども,その年度まで市民に明らかにすることが必要だと思いますが,いかがですか。市長にお聞きいたします。
    ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 平成29年度から今後10カ年程度ですけれども,地方財政制度が変わっていきますので10カ年が限界だと思いますが,29年度から今後10カ年の財政収支見込みにつきましては,市税,地方交付税などの一般財源や扶助費の伸び率を2.5%と想定をしまして,財政推計と同様の前提で,10カ年を推計してまいりました。 その結果,平成36年度ごろに,起債の償還負担が,この年度には重くなることなどに伴いまして,36年度ごろが一番厳しい数値ですが,23億5,000万円程度の収支不足が発生する見込みであり,37年度以降は公債費負担が減ってきますので,収支が改善する見込みとなっております。 平成29年度から38年度までの10カ年の収支を見ますと,10カ年で総額約150億円程度の財源調整が必要になるという見込みになっております。これらの関係資料につきましては,今議会の所管の委員会で,お示しをさせていただきたいと考えております。 今回,新たに試算を行いました10カ年の財政収支見込みでは,平成29年度の新年度の地財対策をベースにしまして,31年10月に消費税率が10%になるということを織り込んだ形で推計をしております。 ただ,今後,国におけます,それぞれ経済・財政再生計画に基づきます財政の健全化の取り組みや,また,地方財政制度が,いろいろ制度改革がありますので,その動向によっては,今回,推計の結果は当然変動してまいりますので,基本的には毎年度これをローリングしていくという予定でおります。 毎年度,この,多分当初議会になると思いますが,市議会や,また,市民の皆様方にお示しをしてまいりたいと考えております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) ありがとうございます。今の答弁で,今議会の予算提案時にも市長から提案のあった,向こう5年間だけではなく,10年を含めた将来収支の見込みについて,委員会にもお示しいただけるということで,その点は,大きく評価をしたいと思います。 ただ,さきの代表質問での答弁にも,平成30年には起債償還が2,154億円となると,翌31年には減少すると,こういう減少傾向の局面だけを答弁なされておりますので,肝心な点は,今後,起債の据置期間が5年ありますので,その後,どういうふうになっていくのかというのが,議会も市民も関心事でありますので,その点を配慮していただきたく思います。 ことしの,国の地方財政対策は,不交付団体を除けば0.1%増,辛うじてプラスとなりました。骨太方針2015では,地方財政対策について,2018年度までは2015年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に確保するとしてきました。 つまり2019年度からは,政府が,地方財政切り捨てにかじを切ることも予想され,これに対する共同を広げることが大事だというふうに思います。 地方交付税の配分についても,政府は取り組みの必要度から取り組みの成果判定へのシフトだとか,段階的にマイナス算定となるトップランナー方式,トップランナー方式は,既に徴収率など歳入にも導入されていますけれども,これらは,地方自治体の財政運営において,地方裁量の幅が狭められていく方向での変革であり,全国市長会からも,問題があると指摘がされていると認識しています。 新年度予算案では,地元に7年間の継続事業として説明して始まった街路事業3事業を,今年度,基本的に,ゼロ予算とする異例の事態も生じています。投資事業の増大が,市の財政を縛り,継続事業も中断しなければならないほどに硬直化しているということです。 代表質問でも細木議員が紹介しました日本共産党市議団が取り組んだ市民アンケートにも,市長に対して,財政再建を果たした点を評価する市民の声がありました。投資事業を大幅に縮小せざるを得なかったことで,建設や土木業界からの風当たりも強かったと思います。 しかし,2014年以降,平成で言うと平成26年以降,そのツケを返すように投資事業が急増し,新年度は280億円に達しようとしています。投資的事業が一時期に重なってきている状況と,国による地方財政の縮小が重なり合う,この状況は,市長が就任直後に財政非常事態宣言を行ったときと酷似してきております。 国による地方裁量幅の抑制と,高知市の財政事情による予算編成の硬直化について,強く危惧するものですが,市長の見解をお聞きいたします。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 平成29年度の高知市の当初予算につきましては,南海トラフ地震がだんだん近づいてきておりますので,南海トラフ地震対策を加速化させるということと,地方創生を大きな柱としております。ある意味,南海トラフの対策は待ったなしでございますので,どうしても早急に進めていかなければならないという背景がございました。 国が,現在,取り組んでおります公共施設の長寿命化や,また,立地適正化対策などを内容とします公共施設の適正管理の推進事業費の創設なども入れ込みながら,今般,保育士や介護人材の処遇改善等の財政が織り込まれておりますので,そういう意味もありまして,地方財政計画のもとでは総額は確保されておられますけれども,全体として,地方公共団体の裁量権が狭まってきているということは御指摘のとおりであります。 今後も,その傾向が続くということを懸念しております。 地方財政計画も,平成27年,28年,29年までの3カ年については総額確保を国も約束しておりましたけれども,その後のことの約束は,まだ現在,ありません。 ということは,相当厳しい局面も予測されますので,引き続き全国市長会を通じまして,地方財源の充実・強化というところは,強力に働きかけていかなければならないと考えております。 地方交付税が相当縛られておりますし,財務省は,地方交付税もっと削れというスタンスでございますので,厳しいせめぎ合いになりますが,全国の6団体が結束して,そのカットという財務省の強い力を,はねのけていかなければならないというふうに考えておりますので,議会としてもお力添えを賜りましてというふうに考えます。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 議会としても,私たちも,私どもの会派としても,この間,南海地震対策や中学校給食など必要な予算は当然のことながら要望してまいります。 その際に,高知市の財政推計がしっかり見えた上での判断とならなければなりませんので,今後とも,市長に対しては開かれた財政運営を貫いていただくと。その点では,今回の10年先まで示していただけるという表明は,多少遅きに失したということも,つけ加えをさせていただきたいと思います。 次に,清掃行政,エコサイクルセンターについて,お聞きをいたします。 産業廃棄物の管理型最終処分場であるエコサイクルセンターは,持ち込み量が当初計画の倍のスピードでふえ続け,新たな最終処分場設置に向けた検討委員会から最終報告書が提出され,今月の10日,先週の金曜日ですけれども,県の商工農林水産委員会に,マスタープランが示されたとのことです。 最終報告書によれば,現センターの埋め立て完了時期を6年後の2022年9月から2024年8月の範囲とし,埋め立てる規模は17万から23万立米,公共関与で屋根つき構造とする,などが最終報告書に盛り込まれております。 埋め立て規模を,17から23万立米と幅を持たせているのは,廃石こうボードのリサイクルが実現すれば規模を縮小できるという可能性を考慮したものとなっています。 しかし,廃石こうボードのセメント化には硫黄成分の除去が必要で,県外では,その処理を行い,セメントの原料にリサイクルしているところもありますが,県内にはその技術のある工場は,現在,なくなっております。 結論として,現センターに持ち込まれている年間約3,000トンの廃石こうボードのリサイクルの実現可能性については,これは低いというふうにされております。 現在のエコサイクルセンターは,11万立米ですが,検討されている新施設は,このままでは限りなく,現在の倍以上の23万立米規模という結論に突き進んでいくように思われます。 現在の,エコサイクルセンターの建設費は44億円,この3分の1が高知市の負担でした。現センターの負担割合を当てはめると,23万立米となる施設規模には,どれぐらいの経費がかかり,市の負担はどの程度と考えられますか。環境部長にお聞きいたします。 ○副議長(長尾和明君) 黒田環境部長。 ◎環境部長(黒田直稔君) 御指摘の次期産業廃棄物の最終処分場に関しましては,来年度,県が新たな検討委員会のもとに具体的な候補地選定を行う予定でありますとともに,候補地選定作業にあわせて,施設規模の詰めの検討,及び事業費の試算も行っていくと聞いております。 こうした状況の中で,新たな施設の全体事業費の試算や県及び構成市町村の負担割合につきましては,現段階で,具体的な詰めの議論まで及んでいないことからお示しすることができず,今後の,新たな検討委員会等の議論の動向等に留意してまいりたいと考えております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 県が示すのを待っているというような答弁でした。高知市は中核市であり,産業廃棄物の処理については,市としても県と同等の権限を持っているというふうに私は認識しておりますので,部長には,その点もしっかりと捉まえた上で,今後の高知市としての思いを発言していただきたいというふうに思います。 規模縮小の可能性についてですけれども,廃石こうボードのリサイクルにかかっているという最終報告書になっていますけれども,新施設完成当初から廃石こうボードがリサイクルに回ることができるようになれば,28万立米のうち,どの程度の量が削減できることになるか,環境部長にお聞きいたします。 ○副議長(長尾和明君) 黒田環境部長。 ◎環境部長(黒田直稔君) 県の基本構想案の中における埋立容量の子細につきましては,現行の処分場の利用者からの排出見込みアンケートを踏まえまして,廃石こうボードのリサイクルが全て可能であった場合は,先ほどの最終報告案では17万から23万立方メートルという案でございましたが,20年間に見込まれる総埋立量の最少値として約17万立方メートルという推計値がございます。 一方で,廃石こうボードの埋立量が増加し,リサイクルが進まなかった場合の総埋立量の最大値として約23万立方メートルの推計値がございます。 こうしたことから,御指摘の新たな施設完成当初におきまして,廃石こうボードがあくまで全てリサイクルに回ったと想定した場合は,最大値の23万立方メートルと,最少値の14万立方メートルの差の約9万立方メートルが削減幅になるものと考えられます。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 今,部長,ちょっと数字を,最初のほう,14を17と言いませんでしたかね。14から27という数字に廃石こうボードがかきかわった場合はなるということで,今の御答弁,廃石こうボードが,全てリサイクルに回ると9万立米削減できる可能性があると,そういう答弁だったというふうに理解いたしました。 現在,廃石こうボードのエコサイクルセンターへの持ち込みは,中間処理業者が粉状に処理してからセンターに持ち込んでいますが,そうした中間処理業者の中から,硫黄成分を除去しリサイクルに回せるプラントをつくる業者があらわれる可能性について,環境部長は検討委員会でも発言されていたと思いますが,御所見をお伺いいたします。 ○副議長(長尾和明君) 黒田環境部長。 ◎環境部長(黒田直稔君) 現時点では,少なくとも本市において,廃石こうボードのリサイクルに向けて硫黄分を除去するプラントを整備するという動きは見られておりませんが,水ぬれや不純物等のまざり物のない,質のよい再生石こうの粉をつくり,それを,セメント副原料に限らず他のリサイクル原料に利用していこうとする事業者が今後あらわれてくる可能性はゼロではないと考えております。 県の次期最終処分整備に向けたあり方検討委員会では,現行施設が計画よりも早期に埋め立てが進行しているという反省点を踏まえまして,また,災害時などの不測の事態の対応ということもあり,一定の規模を備えていく必要があるのではないかという意見も出ておりましたが,施設規模に対する本市の負担の大きさを勘案しますと,しっかりとリサイクルの動向を見きわめていく必要があると考え,そのことを委員代理として意見を申し上げてきたところでございます。 また,リサイクルの方向性につきましては,他の委員からも,施設規模を算定する大事な要素であるのでできる限りの努力を行ってほしいとの意見もあり,こうした点を考慮して,基本構想案では施設規模として埋立量を17万から23万立方メートルまでの幅を持たせた形になっているものと考えております。 今後,候補地選定とともに施設整備の計画づくりに向けた詰めの作業が行われることから,時間の許す限り,最後までリサイクルに向けた状況を見きわめながら,施設整備の計画づくりに適切に対応していく必要があると考えております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) ぜひ,最後までリサイクルの可能性を追求していただきたいと思います。 市長にも,この点,1点お伺いします。 新しい産業廃棄物の最終処分場の規模は,この,今の話にあった,廃石こうボードの中間処理業者の動向にかかっているというふうに思います。こうした中間処理業者に,何らかのアクションを起こすことについて,そのおつもりはないか,市長にお伺いいたします。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々,御議論がありましたとおり,現在,県内には廃石こうボードをセメントの副材料にリサイクルする施設はなく,県内に廃石こうボードの中間処理業者がおられますけれども,基本的には,その石こうボードから分離をしました石こう粉,石こうの粉ですが,粉を県外のセメントメーカーのリサイクル工場に持っていくのか,もしくは,日高のエコサイクルで埋め立てているか,どちらかの手法で処理をされておられます。 最終報告の中でも,県外のセメント工場でのリサイクルは可能でありますけれども,コスト面の増加や全国的に廃石こうボードの排出量の増加が見込まれる中で,安定的に,リサイクルが県外で可能かどうかも,非常に不確定な要素があるということが言われていると聞いております。 県内に新たに,この廃石こうボードのリサイクル施設ができることが,当然理想ではありますが,廃石こうボードから分離しました再生の石こう粉をセメント副材料に再生するためには,専用の高温の焼成炉,焼くための炉が必要となり,多額の設備投資をしなければなりませんので,資金力のある大きな企業でないと,プラントの整備は難しいというふうに考えております。 昨年4月に,全国の石こうボードのリサイクル協議会が発足をしておりまして,事業者主体によります,リサイクルのガイドラインを作成する取り組みが始められております。 先ほどの,セメントの副原料だけではなくて,道路とかに使える土質改良の固化剤としても再利用することも検討されています。 将来的には,全国の石こうボードの関連事業者が利用できる,統一されたガイドラインができ,技術革新とともに,一定の受け皿としての条件整備が整った際には,高知県内の廃石こうボードの中間処理業者の方々に,それぞれ,また,意見を聞くということも可能ではないかと現時点では考えております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 次の新施設をつくるという時期までは,6年しかありませんので,時間は余りないという,そういう中でも,ぜひ,リサイクルの可能性を追求して,高知市は,清掃工場がゼロエミッションという形で廃棄物ゼロを達成しておりますので,そういう高知市の思いもあわせて,リサイクル化への取り組みを強めていただきたいということを強く要望して,次,上下水道について,お伺いしたいと思います。 上下水道事業について経営審議会が開かれておりまして,第3回の検討委員会で,それぞれ,最終報告書の資料が出されております。両事業とも,料金値上げは避けられないという方向性が出ています。 私は,人口減少による収益減少という避けがたい課題があるにせよ,議会を含む市全体が,値上げの回避,縮小に総力を挙げて取り組む必要があると思います。 以下,順次お聞きいたします。 まず,下水道についてです。 第3回経営審議会への提出資料,以下,第3回資料と省略をしたいと思いますが,この提出資料では,下水道使用料は,2018年度当初からの平均17.7%も値上げのシミュレーションが示されています。 下水道事業は,2014年4月より特別会計から企業会計に移行して,減価償却という概念が入ってきました。特別会計では不足額を一般会計からの繰り入れで補填できましたけれども,企業会計では受益者負担が原則です。 だからといって,不足額は使用料の値上げで補うのが当然というのは,余りに短絡的だと思います。2017年度の予算額での赤字額は,さきの答弁でも約4億6,000万円,この赤字をどう減らせるかということになると思います。 第3回資料では,国の汚水処理10年概成論による集中整備計画を推進するため,今後も,4億円程度の赤字が継続するというふうに推計をしております。この,10年概成論については,達成可能としている自治体は約3割で,財政力の弱い高知市として,そこまで国に忠実に従わなければならないのかという思いもあると思います。 さて,2004年から高知市でも,下水道事業会計に,資本費平準化債という新たな起債が導入されました。今年で13年目になります。 平準化債を発行すると,その汚水分の処理は,使用料で賄うべき経費として加算されます。多く発行すれば使用料対象経費がふえ,料金改定の時期が,前倒しでやってくることになります。平準化債は,下水道が特別会計の時代に導入されましたが,このことで,一般会計から下水道会計への公債費繰り出しは減少したと思います。 資本費平準化債を導入して以来,一般会計からの繰り出しが減少した額,そして,平準化債の汚水分の利子として下水道使用料金の対象経費となる額,この2つの数字を,上下水道事業管理者にお聞きいたします。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 資本費平準化債は,元金償還期間と減価償却期間の差を埋め,負担の公平性や資金不足を補うため,本市では,平成16年度から活用しております。 昨年度までに発行した,汚水分としての資本費平準化債は約91億7,000万円,これに伴う利子は約10億9,000万円で見込まれ,その償還は,基本的に下水道使用料で賄うこととなります。 御質問の汚水分の一般会計からの繰り出しが減少した額でございますが,仮に,資本費平準化債を発行しなければ,その分,先ほどお示ししました91億7,000万円につきまして,財源が不足してまいりますので,使用料の改定をお願いするか,または,一般会計から繰り出しをお願いしなければならないと考えております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 繰り入れるとすれば,一般会計は91億円程度助かったという表現,91億円,一般会計の負担が当然乗り越えられた。かわりに,使用料対象経費は10億円ふえ,この増額分が市民の負担,利用者負担というふうになったという説明だったというふうに思います。 一般会計の負担を軽減する目的で導入した,もちろん,今,目的は平準化ということもありますけれども,一般会計の負担を軽減するということにもなった平準化債が,市民の負担に直結し,使用料算定の対象経費をふやしてきた,これは事実だと思います。 発生した,新たに料金値上げの対象となるこの額のことは,考慮に入れた上での料金の改定ということは,当然必要なことだろうというふうに思っています。 第3回資料で,17.7%の料金値上げをした場合,2017年度から推計している最終年度の2036年度までの純損失の累積額,幾らになるか,上下水道事業管理者にお聞きいたします。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 第3回経営審議会の資料における推計では,17.7%の料金改定によりまして,純利益の黒字が継続するとともに,10年後には累積赤字の解消が期待できますので,経営の健全化に取り組むことができると考えております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) いや,上下水道事業管理者,累積額,金額を言ってください。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 申しわけございません,手元にちょっと資料がございませんので,少しお時間をいただきたいと思います。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) あらかじめ通告して,質問内容も既にお渡ししてあるので,この数字が答えていただけないというのは,非常に残念です。 再々,今議会で市長からも,この推計の最終年度には,値上げをしなければ,100億円の赤字になるということが繰り返し言われました。じゃあ,値上げをした場合に,幾ら黒字が積むのかというその金額も,この場で言っていただけないというのは非常に残念ですけれど,本当に数字がないのですか。もう一回だけ聞きますけれど。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 済いません,もう一度御質問をお願い申し上げます。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 上下水道に対する質問の2番目の項目でして,17.7%の値上げをした場合に,ことしから推計している最終年度の2036年までの純損失の累積額が,幾らになるかという質問でございます。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 累積赤字が解消するので,赤字が解消するということで,累積額としてはございません。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 企業会計ですから,黒字が出たら,その黒字がたまっていくじゃないですか。その累積額がありませんという答弁は,ちょっとおかしい答弁でして,しかも,この第3回資料には,その数字はちゃんと出ています。これで時間をとるのもあれですけれども。この第3回検討委員会資料の18ページに出ているじゃないですか。 今年度までは,値上げをして以降はずっと黒字が続いていきますと。黒字の累積が見込まれていきますというふうに,資料に書かれてあります。この数字を合計したのが答弁になると思うのですけれども,そうじゃないですか。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 2036年度末には,17億6,000万円が予定されております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) その数字は,僕が質問で言ったのは2017年度からの合計額を聞いたのですけれど,今の数字は,ここの資料が示してある2年前の2014年からの数字だと思います。 それにしても,この間は赤字ですので,その赤字が相殺されて17億円という数字ですけれども,実際は,30億円程度の,実際に値上げが始まってからでいうと30億程度の黒字が累積するというのが,今の答弁というふうに理解をしておきたいと思います。 それで,要するに,値上げをしなければ,100億円の赤字,値上げをしたら30億円の黒字ということで,かなり幅のある話だということがおわかりになるのではないかなと思います。 それで,第3回資料のこの17.7%の値上げのシミュレーションですけれども,17.7という数字の値上げ幅については,総務省の経営に当たっての留意事項にある経営努力をしてくださいということで,1つは,全国平均の水洗化率にするということですけれども,2つ目の,20立米当たりの使用料徴収月3,000円,これに当てはめたものというふうに理解しています。 それで,この総務省の資料を当てはめたという理解でよろしいでしょうか。上下水道事業管理者にお伺いいたします。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 17.7%の改定率は,年間3億円から5億円程度の赤字の解消と早期の累積赤字解消を目指して,先ほどの御質問でもございました平成26年8月29日の総務省通知,公営企業の経営に当たっての留意事項を参考にしたものでございます。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 年間3億円から5億円の赤字ということと,総務省の月3,000円と,この両方とも勘案して17.7というふうにしたという答弁だったと思います。 ただ,今,2番目に質問したように,これによる値上げをしなかった場合の損益の拡大と,値上げをした場合の黒字の拡大というのは,先ほども言ったようにかなり幅があるわけで,その中で,17.7という数字を決めた,その数字の根拠ですよね。これについては,何かの検討をしたことがありますか。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 健全化に向けまして,やはり,企業債残高の抑制,それと事業運営資金の確保,純利益における黒字の継続という中長期の収支シミュレーションによりまして,この補填財源30億円確保するという計画のもと,値上げ幅を考えておりました。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) それは当然なんです。17.7という具体的な数字のシミュレーションをしている根拠が聞きたかったのです。 検討委員会の資料を見させていただいても,特に,この数字を17.7という,16%にしようか17%にしようかという,そういう推計をした根拠が見当たらなくて,ただ,総務省の月3,000円というところに合わせたというふうにしか,どうも思えないシミュレーションの数字設定になっているというふうに思います。 高知市は,2008年,平成20年ですけれども,20.5%の大幅な料金値上げを行っております。 中核市平均で見ても,現在でも,平均を上回る使用料となっています。国の,10年概成論に従った投資計画を平準化することと,平成18年に使用料が高くなり過ぎる対策として,増額された一般会計繰り出し基準の考え方に沿って,対応を考えていけば,値上げを回避できる条件はある,僕は,そういうふうに思って,そのことも指摘をして,この下水道のところは終わりたいと思います。 次に,水道事業です。 第3回の検討委員会では,水道事業についても,投資計画と財政試算が示されました。 前回の水道の料金値上げは15年前,2002年7月で,月20立米使用する平均的世帯で値上げ率は7.5%でした。 第3回資料には,平均世帯でのシミュレーションで,20年間で試算1として,10%を3回。大体月300円程度ですので10%を3回,最終的には33%,903円を引き上げる設定。 試算2としては,15%,月額450円程度ですけれども,これを2回,最終的には32%値上げ,881円の値上げというこの2つのパターンを設定しています。 その根拠は,急激な人口減少による給水収益の減少で,20年後の人口について,高知市の総合計画では20年後は31万人を推計していますが,上下水道局では27万人と,社人研の数字をもとに,よりシビアな推計をしております。 結果,給水収益は,現在の,61億8,000万円から47億9,000万円と約25%減少するとしています。より厳しい将来推計をするということは,悪いことではないと思いますが,この推計から出発して値上げを回避できないか,いかに,市民負担を軽減するかを考えていくことが大事だと思います。 そこで,質問をしたいと思います。 まず,値上げが必要となる時期についてです。 試算1と試算2の値上げ開始年度が,それぞれ2020年と2021年になっていますけれども,これは,純損益で赤字を出さない。企業債,借金を今よりふやさない。補填財源が30億円を下回らない。この3つの目標を達成するためというふうに説明されています。 この3つの目標のうち,2020年,2021年という値上げ年度を設定した最も直接的な指標はどれか,上下水道事業管理者にお伺いいたします。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 補填財源残高,30億円を確保するというものでございます。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 時期を決める直接的な指標というのは,補填財源だということです。この補填財源について,検討したいというふうに思います。 前回,値上げをした2002年以降ですけれども,補填財源は劇的にふえておりまして,2002年が補填財源は15億円でした。2006年になると22億円,2009年には43億円,2014年には78億円で,今年度の予算案では82億円というふうにふえ続けてきた。 それが,経営審議会の資料では,6年間は10億円以上減り続けて,4年後には30億円を下回ると,そして,8年後にゼロもしくはマイナスになるというふうに推計しています。この補填財源残高の急激な減少の要因は,言うまでもなく,南海トラフ地震対策の送水幹線二重化などの事業です。 第3回審議会資料には,必要な補填財源の額について,料金収入の2分の1程度というふうにされていますけれども,現在61億円の料金収入がありますので2分の1は30億円ですけれども,資料が推計している20年後には,料金収入は40億円台にまで減少します。 料金収入にかかわらず,30億円を下回らないという目標の設定は過剰ではないかと思いますが,上下水道事業管理者に認識をお伺いいたします。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 補填財源残高は,建設改良などの投資支出を補填する財源でございまして,健全な経営を確保するためには必要であると考えております。 なお,30億円の設定につきましては,地方公営企業としての事業運営資金として必要な額が20億円,災害対策の緊急対応資金としては10億円として考えております。 今後,維持管理費等の諸経費の費用の増加が見込まれますことから,30億円程度の補填財源残高は必要であると考えております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) それであれば,資料に,料金収入の2分の1程度というふうに明記されるのはいかがなものかというふうに思いますけれども,いずれにしても,補填財源が30億円を下回る前に値上げを開始するということの検討には,いかに,補填財源が急激に減少していくということを平準化できないかということを,検討するということを先にやらなければならないというふうに思います。この辺は,そこで置きたいと思います。 収支の推計ですけれども,水道事業はこの間,一貫して黒字が続いてきましたが,この間の急激な人口減少を想定して,収支でいうと,6年後に赤字となって,だから6年後に,料金改定が必要というのが収支の面からの推計です。 これは,費用が収益を追い越して,伸びていくということで,費用の伸びの原因は過去の投資に係る減価償却費の増大によるもので,収益の減少は,人口減少によるものだというふうに理解しております。 第3回資料の月20立米を使用する平均的世帯の値上げシミュレーションでは,20年後の補填財源は,30億円を下回らないどころか,先ほど言ったように,大きくふえていきます。 20年後の補填財源について,試算1,試算2,それぞれどうなるのか,推計額をお答えください。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 20年後の補填財源の残高は,10%の改定を想定した試算1では64億5,000万円,15%の改定を想定した試算では81億8,000万円を見込んでおります。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) つまり,30億円を下回らないどころか,60億円から80億円,どんどん巨額に積み上がってくるということの試算ですね。 値上げの試算について,段階的とはいえ,月に900円,2カ月ごとに請求されますので,1回1,800円もの値上げ幅は大き過ぎると思いますけれども,市長の認識をお伺いいたします。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) それぞれ上水,また下水ともども,審議会でも御意見を賜っておりますが,基本的に独立採算制という原則がありますので,どこかで料金改定をお願いしなければならないという観点がございます。 月額900円というお話がございましたけれども,経営審議会でお示しをしております,中期の財政試算につきましては,多分御承知だと思いますけれども,現状と20年後の推計値の差ということでございますので,基本的に,通常考えますと,3年から5年に1回ぐらい料金の改定を議会へお願いをしておりますので,段階的に上がっていくということなので,そういう御理解でお願いをしたいと思っております。 段々御意見をいただいておりますように,当然,経営改善ということは,徹底をしてまいらなければなりませんので,経営の改善と,また,健全化に向けまして,議会の皆様方にその必要性につきましては,その都度,十分説明をさせていただきたいと考えます。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) そんなに,再々値上げしていないわけでして,前回は平成20年ですので,もう9年たっておりますので。要は,まだ先のことだからというふうな答弁に聞こえましたけれども,それは,かなりの大幅な料金,このシミュレーションというのは大きな値上げになります。 現在,20立米で2,736円ですので,1,800円,2カ月分の請求金額で言うと,かなり大幅なものになります。 水道料金の値上げについて,第3回資料のまとめには,この1,800円の値上げが,さらに広がることにつながる料金体系の見直しや,総括原価主義による料金改定を目指すということが明記されていて,これが審議会で了承されております。 1点目の料金体系の見直しについては,基本料金の拡大とともに,従量料金の見直し,逓増制の緩和について検討するということで,つまり,大口利用者の負担を軽減して,一般家庭の負担をふやしていくということを検討しようと。 2点目は,総括原価主義では,新たに資産維持費を導入すると。その額は,対象経費の3%が標準だというふうにされていて,平成27年度決算をもとにした数字が出されていて,この3%は,大体17億円になるということが資料に示されています。 この額について,資料では,資産維持費を費用に計上し,回収することになりますということで,これが,新たに水道料金の算定の対象に加わるというふうに書かれております。 第3回資料が標準としている3%の資産維持費を導入した場合,月20立米使用する平均的世帯で値上げ額がどうなるか,上下水道事業管理者にお伺いいたします。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 3%の資産維持費を導入した場合,平成29年度予算におきましては3%の資産維持費は,約18億3,000万円となり,その額を純利益として単純試算では,20立方メートル使用した場合の水道料金は,現状の2,736円が3,118円となり,382円,約14%の料金改定となります。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) これは,先ほど言った900円,2カ月請求で言うと1,800円に上乗せして600円ぐらい上がってくるということですので,これはもう,相当,到底あり得ないような値上げに,これが,もしやられたら値上げになってこようということになると思います。 この資産維持費の導入については,市長,これは,もう導入すべきでないというふうに私は明言していいのではないかと思いますが,市長の見解をお聞きいたします。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 余り聞きなれない言葉だと思いますが,資産維持費ということに関しましては,厚生労働省の水道事業の維持向上に関する専門委員会におきまして,資産維持費というものを,算定の原価の中へ入れ込んでいくのだということが議論されて決まっているものでございます。 資産維持費につきましては,総括原価主義という言葉のもとで,水道料金の算定要領におきましても,費用に算入するものとされておられます。 四国などを見ますと,松山市など他の自治体も導入されておりますので,経営の健全化のために必要な要素の一つだというふうに認識をしております。 3%を標準とするということも,率についてはいろんな考え方がありますけれども,一定そのことも厚生労働省の専門委員会の中でも示されておりますので,それをベースにして考えているものでございます。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 水道料金について,お話ししましたけれども,一般会計との関係で市民に負担増を求めるのであれば,襟を正さなければならない問題があります。それは,言うまでもなく,安全対策費の一般会計からの繰り出し問題です。 昨年3月の定例会で,我が党の下本文雄議員の質問に,財政部長は,本来繰入金で補填する財源が水道料金に転嫁されてはなりませんので,負担割合や基準繰り入れの復元時期について,具体的な検討を重ねてまいりたいというふうに答弁していました。財政部長の答弁について,市長も同じ認識ということでよろしいでしょうか。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) その考え方につきましては,財務当局と同じ考え方でございます。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 本来繰出金を補填する財源が,水道料金に転嫁されてはならない,この答弁は大変重いものだというふうに思います。 最新の総務省の地方公営企業繰出金についての通知を基準として,2017年,新年度の水道事業会計予算で,その基準を下回る繰り出ししか実施されていない経費があるのか,あれば,その額について,上下水道事業管理者にお聞きいたします。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 繰り出し基準どおり確保できていない額としては,1億660万7,000円となっております。 その内容は,安全対策事業の非常用耐震性貯水槽や水道管路の耐震化事業,その他としましては,統合水道に係る統合前の,簡易水道の建設改良に要する経費でございます。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 送水幹線の二重化については,今議会,今回の予算案で,これまでの10分の4。これまでというか,もっと少ないところはありましたけれども,10分の4から10分の5,基準額満額を繰り入れられた,このことは,高く評価をしたいというふうに思いますが,今,管理者から答弁がありましたように,それでも,なお,繰り出し基準に満たない分が1億円超えてあるということでございます。 この数字も,お願いしていましたけれども,送水幹線二重化事業,耐震性の非常用貯水槽,緊急遮断弁,基幹構造物の耐震化,管路の耐震化,これらの安全対策事業として繰り出し基準を繰り出さなかった総額について,この二重化事業の始まった2007年以降の額を,上下水道事業管理者にお聞きいたします。 ○副議長(長尾和明君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 平成27年度までの決算と,28年度予算の計で19億122万円となっております。 なお,今後とも一般会計からの繰り出しについては,予算査定の場におきまして,市財政部局と協議をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(長尾和明君) 迫哲郎議員。 ◆(迫哲郎君) 約19億円という御答弁でした。本来は,総務省も,これをそのまま水道料金にかけると料金が高くなり過ぎてしまうということで,一般会計からの繰り出しということが相当だとしてきた部分について,高知市の一般財源の状況等を勘案して入れてこなかった経過があります。 ですから,上下水道事業会計については,この分は本来的に市民負担にするというのは,市民の側からすると,なかなか納得できないということになってこようかと思います。 総括的に申し上げますけれども,上下水道事業会計については,料金値上げとの関係でいろいろお聞きをしてきましたけれども,上水,下水,両方に言えることは,一般会計確保との関係で両会計が翻弄されてきた,そういう経過があるということです。 下水道の資本費平準化債は,将来世代の負担の公平性を図るという理屈はあるとしても,一般会計の歳出削減になることが優先されて,結果として,使用料に影響することになりました。こうした問題は,これまでわからなかったということではありません。 私たちの会派でも,2007年,また2008年,そうした議会から,この問題,一貫して追及してまいりました。可能な限りの値上げ回避策をとっていただきますように強く要望して,全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。  〔深瀬裕彦君登壇〕 ◆(深瀬裕彦君) 市民クラブの深瀬裕彦でございます。通告に従い,一問一答方式で質問をさせていただきます。 まず,春野町南山森林伐採及びこれに関連する諸課題について,質問いたします。 昨年12月議会で,春野町の南山の森林伐採について,氏原議員から質問がありました。 皆さんに,共通認識を持っていただきたいので,パネルを用意してきました。昨年の4月の状況を写したグーグルアースの写真が,こちらでございます。 まず,位置的なものを御説明しますと,向かって左端が仁淀川,南側は太平洋,右のほう,東のほうへ行きますと,こちらが仁ノですので,甲殿,戸原,長浜,浦戸というふうに海岸線が連なっております。この中央にある茶色い部分から左に線が2本伸びています。 このときは,茶色い線は途中で途切れておりますけれども,現在では,さらに左のほうへ伸びてつながっております。茶色になっている部分は,樹木が伐採され,土がむき出しになっているものです。上の茶色い線は,山の尾根筋を切り開いており,下の茶色い線は,谷筋を開いて道路のような状態になっているものです。 森林の伐採届の範囲は,おおむね,この上の茶色い線の上を左右に結んだ線から下,下の茶色い線の下から上という,こういう広大な面積を伐採しようという届けが出ているものです。 このために,豪雨時に土砂が雨水と一緒に流れ出て,西畑地区は,こちらになりますけれど,左のほうですけれども,ここが,左側のほうが,谷になっておりますので,この水が一気にあふれ出て西畑地区に流出して,この左側の畑,田んぼを襲ってしまうということが懸念をされておるわけです。 昨年,問題が表面化してから,高知市から周辺の住民の一部に対する説明会などを開催し,高知県とも折衝を重ねられてきたと承知しておりますが,その後の経過と,現在の状況について,農林水産部長にお聞きします。 ○副議長(長尾和明君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) 春野町南山の森林伐採について,その後の経過としましては,本年1月5日,県,市の関係課による伐採現場の調査を行い,作業道の開設と,伐採跡地の一部において土地の造成が行われていることを確認しております。 この現地調査の結果,有効幅員が3メートルを超える作業道の面積が,1ヘクタールを超えていること,並びに一部で行われております土地の造成面積が,1ヘクタールを超えていることによりまして,森林法における林地開発許可の対象となりますことから,現在,県の治山林道課が,林地開発許可申請を行うよう届け出者に文書指導を行っているとお聞きしております。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 先ほどの御報告で,森林法第10条の2第1項の規定に基づいて,県知事の開発許可が必要な状態であるということが明らかとなりました。 そのため,業者の開発の許可申請を待っているというような状態だと理解します。ちなみに,森林法の第206条第1号には,第10条の2第1項の規定に違反し,開発行為をした者は150万円以下の罰金に処するという罰則が定められております。皆さんも知っておいていただけたらと思います。 次に,森林法第10条の8に,森林所有者等は,地域森林計画の対象となっている民有林の立木を伐採するには,農林水産省令に定める手続に従い,あらかじめ,市町村の長に森林の所在場所,伐採面積,伐採方法,伐採齢,伐採後の造林の方法,期間及び樹種その他農林水産省令で定める事項を記載した伐採及び伐採後の造林の届け出書を提出しなければならないと規定されています。 この規定に基づき,森林所有者から届け出がなされていると聞いていますが,届け出の時期,伐採後の造林の方法,期間はどうなっているのか,農林水産部長にお聞きします。 ○副議長(長尾和明君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) 伐採の届け出日は,平成24年7月9日,伐採の期間は同年8月10日から29年3月31日までとなっております。伐採後の造林の方法は,天然更新,造林期間は,25年4月1日から34年3月31日となっております。
    ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) この伐採の期間は,平成29年3月31日まで。あと,森林をどういうふうにもとに戻すかというと,天然更新といって,要は切ってしまって,根は残して,自然に生えてくるのを待つというような更新の方法だというお話でした。 伐採の期間については,ことしの3月31日までということですが,伐採の届け出書は,伐採を開始する日前90日から30日までの間に提出しなければならないとされていますので,4月以降,伐採を続けるには,届け出書の提出がなされていなければならないと思います。この届け出書は,提出されましたか,農林水産部長にお聞きします。 ○副議長(長尾和明君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) 現時点では提出をされておりません。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 現在,まだ届け出がされていないということは,きょうで3月ですので,4月に入って,すぐに伐採をするということはできないということで,この森林法では,森林の伐採については届け出制となっています。ということは,立木の伐採については,適法な届け出がなされている限りは,その届けを受理しなければならず,市長が立木の伐採をとめることができないということになります。 森林法が届け出制にしているのは,いかなる理由によるものと説明されておるのか,農林水産部長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) お尋ねの森林法における伐採及び伐採後の造林の届け出制度につきましては,昭和37年の森林法改正の際に,森林の過伐,いわゆる切り過ぎのおそれが少なくなってきたことなどから,それまでの伐採許可制度が廃止されたことに伴い,設けられた制度とされています。 この届け出制度は,伐採行為の実態把握や適正な森林施業を確保することにつながるとともに,森林資源の実態を把握するための制度であると認識しております。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 森林法の規定としては,森林を活用して,木を切って,売って,林業として成り立っていけるというような保障をするという意味が多分にあるのではないかなと。それと,自分の持ち山なので,それを,許可にかからしめて伐採しにくくなるというのを抑制しているというような感じで受け取っております。 その対象というのは,本来でしたら,もう少し山の奥のほうの,里山とかということではなしに,民地に余り影響のないような,そういうふうな場所が想定されているのではないかなと思います。 森林法には,適正な森林の立木の伐採及び伐採後の造林を確保するため,森林の施業勧告制度に加え,市町村森林整備計画に適合しない伐採及び伐採後の造林の計画の変更命令等の制度が設けられています。 高知市の森林整備計画は,どのようなものか,内容をお聞かせください。 また,今,提出されている伐採及び伐採後の造林の届け出書の内容は,この森林整備計画に適合しているものかどうか,農林水産部長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) 高知市森林整備計画は,本市の地域森林計画の対象となる森林に関し,伐採,造林,間伐,保育,その他森林に関する基本的な事項等を定めたもので,このうち伐採に関する事項につきましては,標準伐期齢や伐採時の留意事項,伐採後の更新方法等が定められております。 今回,提出されています届け出書には,その内容が,標準伐期齢や伐採後の更新方法等について,同計画に適合しているものとして受理いたしました。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 先ほど農林水産部長からお答えいただきましたように,伐採届というのは平成24年7月9日に提出されております。それで受理をされていると。 森林法では,この伐採の計画について,近隣住民に知らせたり,説明会開催の義務づけ等,地域住民とのトラブルを回避するような手続に関する規定は見当たらないようですが,どうでしょうか。農林水産部長にお聞きします。 ○副議長(長尾和明君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) 森林法には御指摘のように,この伐採及び伐採後の造林の届け出についての内容を,近隣住民にお知らせすることや,届け出者に対し,説明会の開催を義務づけるような規定はございません。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 今回は,伐採が始まってしばらくして,民家の近くまで範囲が広がって近隣住民が知ることとなり,問題が意識されるという結果となりました。 伐採の届け出書が提出された時点で,周辺住民への情報提供があれば,不安も多少やわらいでいたのではないかと思いますし,もっと早い段階で,問題に対処できていたのではないかとも思います。 今後は,この件に限らず,森林の伐採の届け出書が提出され,伐採により,近隣の環境への影響が懸念される場合には,周辺住民に情報の提供をすべきと考えますが,農林水産部長の見解をお伺いいたします。 ○副議長(長尾和明君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) 森林法においては,伐採届けの提出の事実,及びその内容を市から情報提供する仕組みにはなっておらず,加えて,森林の伐採は,森林所有者の経済活動であることから,市から周辺住民の皆様に,届け出内容についての情報を積極的に発信することは困難と考えております。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 御説明いただきましたように,法自体では定められている手続はないということで,現状では,市の内規,要綱,条例,法律のいずれにも伐採の届け出書の内容について,周辺住民に対して,情報提供するという成文化されたものがない状態のようです。 何らかの方策が必要と思いますけれども,市長の見解を伺います。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 先ほど部長が答えましたとおり,通常の森林伐採につきましては,所有者の経済活動ということで,それを周辺にお知らせするというシステムにはなっておりません。また,そういう規定もありません。 伐採の届け出の内容を,私どもから直接地域におろすということは,基本的にルールがないので,そういうことをしておりませんけれども,その情報をとるためには,必要な場合には高知市の,例えば情報公開条例の手続を利用していただくことによりまして,届け出があっておりますその伐採届につきまして,一定の条件のもとで公開をすることはできると思います。 ただ,この中でも,例えば土地所有者の個人情報などは出せませんので,部分的には黒塗りということになりますけれども,非公開部分を除いて,正式な手続の中で問題がなければ公開ということも当然あり得るというふうに考えます。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 実際に,伐採が始まって災害が懸念されるような状態になりますと,必ず周辺住民とのトラブルっていうことになりますけれども,そのようなことを回避する手続を定めておったほうがいいのではないかと,そういうのが望ましいのではないかと思いますけれども,市長はどのように思われますか。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 森林区域は,高知県全体では,8割を超えていますし,高知市域の中でも森林面積は60%を占めております。 例えば,その全てを公開ということはないと思いますけれども,住家に近い,しかも広範囲に行うとかというときには,一定,周辺の住民の方々に事前にお知らせをするということは,場合によったら,ケースによりましたら必要な場合もあろうかというふうには考えます。 そのときには,届け出者の協力が当然ないと,企業情報,民間情報ですので,出せないということになろうかというふうに思います。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 市長ですけれども,高知市の職員の時代に,市町村アカデミーの法令実務の研修を受けられて,たしか,行政指導だったと思いますけれども,行政指導についてのレポートを書かれて,優秀であるとして機関誌に掲載された経験がおありかと思います。 行政指導の限界とその対処方法について,市長となられた今,どう考えるのか,お聞かせください。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 行政指導につきましては,その線引きの範疇が,明確でなかったということもありまして,その後,行政手続法によります行政指導が一定決められるということになりました。 ただ,その行政手続法におけます行政指導の一番基本を申し上げましても,あくまでも,相手方の任意の協力によって実現されるものであるということに留意をしなければならないということと,行政指導にかかわる者は,その相手方が,例えば行政指導に従わなかったということを理由にして,不利益な取り扱いをしてはならないということが原則的な考え方でございます。 わかりやすく言うと,あくまでも,任意での相手方の協力がないとできないということが基本でございます。 行政指導につきましては,その範疇につきまして強制力がありませんので,難しいところはありますけれども,例えば,いろんなトラブルが起きたときに,行政として,それぞれの部局の皆様方が,きちんと地元に説明できるということも一つのポイントでございます。 これは一定,事業者の協力がないとわからないので,そこの協力は求めてまいりますが,できるだけ,そういう協力を求めながら,必要な場合には,地元に的確に説明をしていくということも,ケースによっては必要になるというふうに考えます。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 市長もおっしゃっていただいたように,行政指導は,行政機関が相手方の任意の同意や協力によって,その行政目的を達成しようとする事実上の行為であるので,これに不服がある場合には,従う必要がない行為でありますので,当時の考え方として,行政指導の内容を条例化することによって,行政指導に従う意思がない相手方に,従ってもらう方法を考えようという流れだったように思います。 ただし,条例の制定については,昨日の氏原議員の質問に対して,井上副市長が答弁されていたように,憲法第94条に,地方公共団体は,その財産を管理し,事務を処理し,及び行政を執行する権能を有し,法律の範囲内で条例を制定することができるとし,地方自治法第14条第1項では,普通地方公共団体は,法令に違反しない限りにおいて,第2条第2項の事務に関し,条例を制定することができると規定されており,法令に違反しない範囲で条例を制定できるとされています。 このため,しばしば,法律との関係で条例による規制の是非が問われ,訴訟に発展することがあります。 高知市では,昭和53年12月21日,最高裁判決で,高知市普通河川等管理条例の規定が河川法との均衡を失した必要以上に強力な規制を定めたものとして,違法との判決を受けた苦い経験があります。 これに懲りたのか,市役所内部では条例による規制については,消極的な姿勢が貫かれています。 しかし,条例と法令との関係が争点となった裁判では,違法とされなかった例も幾つか存在します。 昭和38年6月26日,最高裁大法廷判決で,奈良県ため池の保全に関する条例と憲法との関係で,条例による財産権の制限を合憲とした事例があります。 また,昭和50年9月10日,最高裁大法廷判決では,徳島市公安条例と道路交通法との関係で,条例と法令とが別の目的であり,その適用により法令の目的と効果を阻害しないときは,条例は法令に違反しないとし,また,条例が法令と同一の目的に出たものであっても,国の法令が全国一律の規制を施す趣旨でなく,地方の実情に応じた規制を容認する趣旨であるときは,条例は法令に違反しないとした事例もあります。 平成5年1月25日,神戸地裁判決で,伊丹市教育環境保全のための建築等の規制条例と憲法及び風俗営業法との関係では,条例による財産権に対する規制を,合憲とした事例があります。 市内で行われている土地の造成や沼の埋め立て,盛り土,切り土,森林伐採など,周辺への災害が懸念されるようなことが各地で行われており,周辺住民や関係職員を悩ませているのが現状ではないかと思います。 災害対策基本法,森林法,都市計画法,建築基準法,宅地造成等規制法,砂防法,地すべり等防止法,急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律,土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律や高知市土地保全条例など,さまざまな法令が制定されていますが,現在,住民が抱いている不安を払拭する規制がかけられておりません。 財産権については,井上副市長が答弁されたように,第29条第1項では,財産権は,これを侵してはならないと規定されていますが,第29条第2項には,財産権の内容は,公共の福祉に適合するように,法律でこれを定めると規定されており,法律による制限を容認されています。 また,規定上は法律でこれを定めるとされておりますけれども,通説,判例では,条例も法律と同様の手続で制定されることから,条例での財産権の制約も認められるとされています。 また,民法第1条1項には,私権は,公共の福祉に適合しなければならないと規定されており,私権には,財産権も当然含まれています。 四宮和夫先生の著書「民法総則」には,民法第1条第1項の規定について,次のような内容のことが書かれています。 私権の内容は,社会全体の利益と調和するものでなければならないこと,すなわち,私権の社会性を宣言する趣旨であり,この規定は,私権が個人の利益に奉仕するものであることを確認しつつ,その内在的制約原理として,私権の存立が,社会的共同生活の利益に反するものであってはならないことを宣明するものと理解すべきであるとあります。 言葉がかたくてわかりにくいので,私なりに解釈しますと,個人の財産をどう使うかはその個人の自由だが,その使用によって,他人の利益や社会の共同生活に損害を与えるようなものであってはならないということではないかと思います。 延々と述べてまいりましたが,これらのことを踏まえ,行政指導の限界,法律と条例との関係,財産権の制限について,鏡地域での太陽光発電のための造成工事に伴う濁水や,小松の沼の埋め立てや,南山の森林開発や開発行為などの環境への影響や災害が危惧される高知市の現状を見て,どう考えるのか,市長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々,御紹介をいただきましたとおり,条例でどこまで規制ができるかということにつきましては,その時代時代の背景等もございまして,これまでの判例を見てみますと,行き過ぎた規制は,裁判で負けるという傾向にあります。 ただ,グレーゾーンも少しずつ住民側に寄りつつあるというのが,今の現状の私どもの認識ではございます。 条例につきましては,法令に違反しない限りにおいて制定ができるということでございますが,その行為の制限には,一定の限界が設けられているというふうに考えます。 条例は,上乗せの規定や横出しといった規定で,自治体特有の行政の課題の解決のために一定,ケースによってはその条例の制定も可能になるということはございます。 独自条例の制定の範囲内で一番課題になりますのは,憲法で保障されておられます民間の個人の方々の財産権との調整ということが,最後まで,ずっと課題になってまいります。 それぞれの課題につきまして,それぞれ個別の事情がありますので,例えば,民民で解決できる課題なのか,それとも,一定の法解釈に基づきます条例規制が必要であるかなど,ケースごとのそれぞれの事案の分析をしながら,ある意味では財産権を侵さないような,慎重な検討が必要だというふうに考えてはおります。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 市長もおっしゃっていただいたようなことではないかとは思うのですが,ただ最高裁の判例では,条例が憲法に抵触しない根拠として,条例と法とが別の目的である場合や,国の法令が全国一律の規制を施す趣旨でなく,地方の実情に応じた規制を容認する趣旨であるときなどが上げられています。 土地の造成や沼の埋め立て,盛り土,切り土,森林伐採など,周辺への災害が懸念されるようなことを,市長の許可にかからしめることは,条例の目的を工夫して現行の法律とは別のもの,あるいは,すき間を埋めるようなものとすれば,十分可能だと考えます。 実際,八王子市は,土砂等による土地の埋め立て等の規制に関する条例を制定して,500平方メートル以上の土地の埋め立て,盛り土,切り土,高さ1メートル以上の土地の埋め立て,盛り土については,市長の許可を受けなければならないとしています。 4月から,文書法制課が新設されますので,しょっぱなの仕事として,このことを研究していただきたいと思います。 次に,(仮称)長浜南部地域振興計画策定及び関連する諸課題について,お聞きいたします。 道の駅構想の理由づけとして,御畳瀬,浦戸,長浜南部地域の人口減少が声高に叫ばれ,平成29年度予算に(仮称)長浜南部地域振興計画策定事業費400万円が計上されたところです。 このこと及びこれに関連することについて,議論をさせていただきたいと思います。 重点施策の概要によりますと,地域振興計画策定と言いながら,住民組織としては地域活性化協議会という仮称の協議会を立ち上げるとなっています。 この地域振興と地域活性化の違いについて,似たような用語ではありますが,これを意図して使い分けをしているのかどうかわかりませんが,それぞれどのような状態を指すのか,総務部長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) 地域活性化という言葉につきましては,ふだん見落としがちな地域資源を再発見するという状態を意図しております。 また,こうした過程を経て,全体の振興計画を策定していく状態を,地域振興という言葉で表現をいたしております。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 私は,ちょっと違った捉え方をしています。 まず,地域活性化というのは,日々暮らしている,そこに住んでいる人の状態がどうなのかということを念頭に置いた言葉ではないのかなと。 地域振興というのは,その住民がどういう状況とかということではなくて,例えば,何か産業が来て,その地域が潤うとかいうようなイメージを私は抱いておりますので。予算が通りましたら,これに従って,協議会とか計画というのはつくられると思いますけれども,目的は何なのか,どういう状態を意図してその話し合いをするのかという出発点が違うと,結論が違ってくると思います。 その点については,十分留意していただいて,予算がつけばの話ですけれども。考えていただきたいかなと思います。 次に,コミュニティ計画について伺います。 御畳瀬,長浜地区は平成9年,浦戸地区は11年に策定されたコミュニティ計画が存在します。今,新たに,長浜南部地域振興計画なるものを策定しようとしていますが,これらのコミュニティ計画はどうなっているのでしょうか。 コミュニティ計画10年の歩みというコミュニティ計画実施状況報告のそれぞれの地区版を見ても,将来課題や実施困難とされた事項が,長浜地区で30.2%,浦戸地区で34%,御畳瀬地区では43.5%にも上っています。直近の実施状況について,どうなっているのか,市民協働部長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) 御質問にございましたとおり,長浜並びに御畳瀬地区のコミュニティ計画は平成9年3月に,浦戸地区の計画は11年4月に策定しておりまして,行政が主体となって取り組むもの,市民が主体となって取り組むもの,双方の協働によって取り組むものの3つに区分し,それぞれ50ないし60程度の事業が盛り込まれております。 平成26年度に実施しました,直近の進捗状況調査によりますと,実施済み及び継続実施中の事業を合わせました割合は,長浜地区は約76%,御畳瀬地区は約64%,浦戸地区が約68%となっており,残ります2割から3割につきましては,実施困難及び未実施の状況でございます。 その主な理由として,行政が主体的に取り組む事業につきましては,予算の確保や他機関の協力を得ることが困難だったことなど,また,協働で取り組む事業では,計画策定後に支援制度が廃止されたことなどによるものでございます。 一方,市民の皆様が主体的に取り組む事業では,担い手不足やニーズの変化などにより,事業の実施体制が組めなかったことなどが主な理由として見受けられます。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 今あるコミュニティ計画の検証なしに,次の計画に進むのはいかがなものかと思いますけれども,どのように考えられますでしょうか,総務部長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) その点については,御指摘のとおりだというふうに考えております。 議論に入る際のたたき台としまして,先ほど市民協働部長が説明をいたしましたけれども,平成26年度に行いましたコミュニティ計画の進捗状況調査の報告を含む,地域の厳しい状況について,まず,市から説明をさせていただき,議論をスタートさせていきたいというふうに考えております。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 次に,高知市まち・ひと・しごと創生人口ビジョンの大街別の人口将来推計について伺います。 長浜南部地域が,人口減少が著しいことが想定されるという根拠に使われている推計の数値があります。 2010年の人口と2060年の推計人口との比較で,御畳瀬がマイナス81.45%,浦戸がマイナス61.74%,長浜がマイナス43.51%となると推計されています。ちなみに春野地区は,マイナス47.25%との推計です。 この推計の数値をどのように算定したのか,総務部長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) 国立社会保障・人口問題研究所が用いた人口変動要因である出生,死亡,人口移動について,男女別,年齢別に仮定を設け,それぞれの率を推計した上で,主に2005年,平成17年から2010年,平成22年の人口の動向を考慮し,将来の人口を推計したものであり,基礎となる人口は2010年の大街別の人口を採用しております。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 用いた数値ですけれども,これは個々の地域の数値ではなくて,高知市全体の平均数値を用いたと聞いています。 ということは,地域によっては,入り込みとか出生,死亡によっては,もっとひどい数値が予想される地域もあったり,逆に,それほどでもないというような地域が出てくるというようなことだと思いますし,減少というのは,この出生,死亡,それから移動とかというのがそのまま続いていくというのを前提につくられた数字ということは理解できると思いますので,必ずしもそのとおりにはならないと,一つの目安ということで考えていくべきだと思います。 増田レポートもかなり衝撃的でしたけれども,それについても,こんな数字おかしいんやないかっていう批判的な意見もたくさんあります。そのことも念頭に置いて,将来推計人口の数値というものを用いていかなければならないと私は考えます。 春野地区については,大街別の人口将来推計では余り目立たないくらいの数字ですが,私には違和感があります。春野地区全体ではそうかもしれませんが,南ケ丘団地という新興の住宅団地を抱えているという特殊性があらわれていないと感じました。 そこで,春野地区の小街別の住基人口の推移のデータを作成してもらいました。平成8年の住基データと28年の住基データとの比較です。春野村に合併する前の旧村単位のデータですので,それぞれの地区が,御畳瀬や浦戸と似たような規模と考えていただいて結構だと思います。 減少率が最も高かったのは,甲殿地区でマイナス33.9%,次が仁ノ地区でマイナス32.6%,以下,東諸木地区がマイナス29.3%,西諸木地区がマイナス23.4%,弘岡中地区がマイナス22.7%,西畑がマイナス21.5%,森山がマイナス20.9%,西分が20.9%,芳原がマイナス20.7%,内ノ谷がマイナス20.1%,弘岡上がマイナス19.7%,平和がマイナス18%,弘岡下がマイナス17.4%と続き,秋山地区が最少でマイナス11.7%となっており,南ケ丘地区は,ちなみにプラス3,499%,春野全体ではマイナス1.3%。 この20年内の減少率は,ごくわずかですが,旧村では人口減少が進んでいる実態が浮かび上がってきました。 これを高知市のほかの地区と比較しますと,同じく平成8年と28年の住基データの比較ですが,御畳瀬地区がマイナス48.3%,浦戸がマイナス37.1%,次に減少率が高いのは五台山地区でマイナス23.5%,長浜南部がマイナス15.6%となっています。 春野の減少率上位3地区の,甲殿,仁ノ,東諸木は,高知市内でも浦戸に次いで減少率が高くなっていることがわかります。2010年と2060年の比較でも,この傾向は同じと考えられます。 そこで,人口減少が問題で対策が必要というならば,長浜南部に限らず,ほかの地域でも振興計画が必要になってくるのではないかと考えますが,御所見を市長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) これまでも申し上げましたとおり,御畳瀬地区や浦戸地区,また長浜南部につきましては,先ほど御紹介いただいたように,市内最大の減少率ということになっております。 減少率が激しい地域につきましては,これまで,例えば中山間地域,また,市内中心部におきましても,減少率が著しいということもございましたので,中山間におきましては過疎地域の自立の促進計画,中心市街地につきましては,中心市街地の活性化計画の中で中心部への人口の呼び戻し策を実施しておりまして,徐々に歯どめがかかっているところでございます。 御指摘の春野につきましては,平成20年に春野町と合併をさせていただきまして,春野町と高知市での,新市まちづくり計画を策定しております。現在,多額の予算を投入して,このまちづくりを実施しておりますので,春野地域全体の振興に当然結びついていくというふうに考えております。 残っておりますのは,長浜南部地域の急激な人口減少ですので,何らかの手だてが必要だということで,総合的な検討をしたいというふうに考えております。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 市長,新市まちづくり計画のことを紹介していただきましたけれども,これは,春野町と高知市とで合併以前に協議して,その当時の課題を解決すべく盛り込まれた計画ということで,春野町全体を網羅して,こういうふうにしたいというような計画ではないという認識です,私の場合は。 春野地区におけるコミュニティ計画策定については,合併当初の平成20年3月議会で,スケジュールについての私の質問に,当時の市民生活部長は,春野地区を含めました未策定の12地区につきましては,鏡,土佐山両地区のコミュニティ計画が策定された後,各地区の状況や住民の皆様の意識の高まり,また,事務局体制等をも踏まえながら,順次,着手してまいりたいと考えておりますと答弁されました。 あれから9年が経過しましたが,いまだに着手されていません。今後,どのようにされるおつもりか,市民協働部長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) コミュニティ計画につきましては,平成21年度に策定をしました鏡地域,土佐山地域が最後であり,春野地区の2つの小学校区を含む12地域において,未策定の状況となっております。 一方,市内の小学校区単位で設立いただいております地域内連携協議会は,本年3月末で,19地域において設立,認定される見込みであり,協議会によって活動の内容はそれぞれ異なっておりますが,その活動の幅を広げていく中で,地域として共通の目標を持ち,将来に向けて,計画性を持った活動が必要であるといった動きも出てまいりました。 こういったことも踏まえまして,今年度から,コミュニティ計画が未策定の久重地域と,策定済みであるよこせと地域をモデル地域としまして,地域内連携協議会において,新たなコミュニティ計画の策定に向けた取り組みを始めたところでございます。 御質問の春野地区におきましても,持続可能な地域コミュニティを構築していくためには,地域福祉や地域防災等の面からも計画策定は必要ではないかと考えております。 そのため,地域の各種団体の皆様にも御相談しながら,具体的な活動の受け皿となる2つの小学校区における地域内連携協議会の設立に向け,積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 地域連携協議会ですけれども,それについては,コミュニティ計画とはまた違うジャンルのものだと私は考えています。 以前のコミュニティ計画については,市で地区整備計画を定めて,それを市民に示して,市民にもんでもらって,改めてコミュニティ計画として策定をしていたということで,随分ハード面の計画も入り,このまちをこういうふうにしたいのだというような思いの入った計画だったと思います。 部長がおっしゃるような,地域内連携協議会は,どちらかというとソフト面が重視されておって,どういうふうに連携していきましょうかというようなことにとどまるので,コミュニティ計画とまではちょっといかないのではないかなという感じで捉えております。連携協議会ができるから,そっちでということにはならないかなと思います。 昨年ですけれども,元自治会の会長をされていた方から,私たちの住んでいる新川地区というところですけれども,自治会の役員に申し入れがあったそうです。 合併前の春野町の時代に,春野町から依頼があって,各自治会でまちづくり計画案を策定してほしいということで,私たちの自治会でも,まちづくり協議会を立ち上げ,議論の上,新川地区まちづくり計画案をつくりました。その計画はどうなっているのか,計画の実現を図るべきではないかという御指摘でございました。 ほとんどの自治会で策定したと聞いておりますけれども,どうなっているのでしょうか。この計画について,日の目を見ずにどこかに埋もれてしまうという危惧がありますが,どう活用されるのか総務部長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) 平成15年から16年にかけて,旧春野町からの働きかけで旧春野町内の各地区において,まちづくり計画が策定されており,新川地区もその一つとなっております。 各地区で策定されたまちづくり計画は,その後,春野町うるおいのあるまちづくり協議会で集約され,町民のまちづくりへの思いを春野町うるおいのあるまちづくり計画として,平成16年10月に当時の町長に対して提言がなされたものと承知をしております。 その後,春野町うるおいのあるまちづくり計画は,平成20年1月,本市との合併に際し,新市まちづくり計画に反映し,これまで春野地域全体の振興の指針として活用してきておりまして,今後も,新市まちづくり計画の着実な実施に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 話をかえたいと思いますが,人口減の対策に戻っていきたいと思いますけれども,人口減を防いでいくには,それぞれ世代が交代していって,空き家が少ないというような状況が大事かと思います。 春野地域については,市街化調整区域がほとんどでございますので,市街化調整区域における空き家の活用について伺いたいと思います。 世代交代しながら空き家が活用されていくのは好ましい状態で,人口の維持や地域の活性化につながるものと思います。 しかし,空き家になって次の世代がそこに住まない場合には,その空き家にほかの誰かに入居してもらえばいいのですが,都市計画法が障害になるケースがあると聞きます。 1つには,家の賃貸ができない。また,農家の分家でないなどの場合には,開発許可の手続が必要となってくる。移住,定住を促進しようというときにハードルが設けられているのは,ちぐはぐな印象を持ちます。どういう理由からこのようなことになっているのか,都市建設部長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 清水都市建設部長。 ◎都市建設部長(清水博君) 市街化調整区域は,市街化を抑制すべき区域として規制を行っており,周辺における市街化を促進するおそれがなく,かつ,市街化区域内において行うことが困難,または,著しく不適当と認められる開発行為について,個人に対してその用途や目的に応じた一定の要件のあるものを許可しております。 このため,市街化調整区域では,建築主や用途を含めた属人的な許可を行っており,空き家となっても借家として賃貸を行うことができず,本人の死亡等の事情によるやむを得ない場合のみ,第三者へ自己の居住の用に供する建築物の用途変更について認められることとなっております。 このように,市街化調整区域は建築物に規制を行うことで,線引き制度を担保しているところでございます。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 先ほどお示ししたように,春野の旧村は,人口減少が大なり小なりあります。集落を維持しようと思えば,移住者を受け入れて,住民の入れかわりを図ることが重要となります。 都市計画法上の問題は,集落及びその周辺を市街化調整区域から外す,あるいは,市街化区域にするなどの対応は考えられますが,ハードルが高いものと思います。どのような解決策が考えられるのか,都市建設部長に伺います。 ○副議長(長尾和明君) 清水都市建設部長。 ◎都市建設部長(清水博君) 近年,全国的にも,市街化区域はもとより市街化調整区域におきましても,人口減少,高齢化の進行などにより空き家が多数発生し,地域活力の低下や既存コミュニティーの維持が困難となるなどの問題が生じており,空き家の有効活用が求められております。 こうしたことから,市街化調整区域の空き家の有効活用につきましては,移住,定住などの地域振興に係る明確な方針が打ち出されれば,弾力的な運用の可能性もあるのではないかと考えますが,現行の開発制度の中では明確な解決策をお示しできない状況でございます。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 対策が必要であるということはおっしゃっていただきました。ありがとうございます。 結局のところ,法の制度を変えていただくとか,あるいは,特区が可能かどうかはわかりませんけれど,特別に法の適用を除外するというような手続がない限りは,なかなか難しいということだと思いますけれども,そういう機会がありましたら,ぜひともそういう提案をしていただけたらと思います。 人口減対策が急務ということで,長浜南部地域の振興計画策定が提案されておりますけれども,人口減対策で有名な,奇跡の村と言われている長野県下條村というところがありますが,その取り組みについて紹介してください。 ○副議長(長尾和明君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) 御質問にございました長野県下條村につきましては,長野県の南端部に位置する自治体で,平成27年度の財政力指数は0.23と決して税収が豊かな自治体ではありませんが,全国に先駆けて少子化対策に取り組んだ結果,23年度の合計特殊出生率は全国平均の1.39に比べ1.92と大きく上回り,18年ごろより,人口減少対策の成功事例として,全国的に有名となった村であります。 下條村の人口減少対策は,子育て支援に集中的に取り組んだことが特徴的です。 子供の医療費の高校卒業までの無料化や,保育料を国基準の半分以下にまで軽減するなどの取り組みを行い,下降を続けていた同村の人口は,平成9年から若者向けの村営住宅を建設したことを境に増加し始め,2年に3,859人だったところ,12年には4,075人,17年には4,210人まで上昇をしております。 また,これらの財源を生み出すために徹底した行政改革を行いまして,人口1,000人当たりの類似団体の平均職員数が17.02人でございますが,同村においては,半分以下となる7.84人まで職員数を削減したというふうに聞いております。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 御紹介いただいた下條村ですが,少し陰りが見え始めているとの著書もあります。 久繁哲之介さんの「競わない地方創生 人口急減の真実」という本があります。それでは,近隣の飯田市などがこの下條村の成功事例をまねし始め,下條村の存在価値が小さくなったことが原因と見られています。このことから,どういう教訓を学べばよいと考えますか。 ○副議長(長尾和明君) 山本総務部長。 ◎総務部長(山本正篤君) 御紹介いただきました著書では,下條村の人口減少の要因は大きく2つあると紹介をされております。 まず1つ目は,周辺の市町村が下條村の成功要因である子育て施策をまねしたことにより,下條村の施策の独自性が失われ,同様のサービスを行う周辺の市部に人口が流出してしまったということを上げております。 2つ目の理由には,子育て施策に集中投資を行ったことで,子育て世代の移住は一時的に急増しましたが,子供の成長に伴い,移住世帯が求める需要が変化し,需要に合致した教育施策などが充実している市町村へ転出する方が多くなったことを上げられております。 実際,同村の人口は,若者向け住宅を整備し始めた平成12年から17年の5年間で4,075人から4,210人と135人増加しましたが,その後,減少に転じ,27年までの10年間で262人減少し,住宅建設を始めた時点を下回る人口まで減少する結果となりました。 こうした事例から学ぶことといたしましては,全国に先駆け,子育て支援に特化した取り組みを進めた下條村は,正確な情勢分析に基づく先駆性のある事業展開により成果を上げた点については,非常に評価するものでございますけれども,その後の,住民ニーズの変化に的確に対応し切れず,結果的にその成果を維持することができず,定住に結びつかなかったことが課題ではないかと考えております。 市民ニーズは,社会経済情勢の変化により変化していきますことから,市民意識調査を初め,市民ニーズを的確に捉える取り組みを進めながら,施策のPDCAサイクルをしっかり回していくことで,多様な市民ニーズに応え続けていくことが,息の長い人口減少問題の克服には重要であると考えております。 こうした取り組みの積み重ねにより全ての世代にとって暮らしやすいまちづくりを目指すことは,新たに転入してくる方にとっても暮らしやすいまちとなりますので,転入者のライフサイクルの変化にも柔軟に対応でき,移住から定住化へつながるものと考えております。 ○副議長(長尾和明君) 深瀬裕彦議員。 ◆(深瀬裕彦君) 高知市では,保育料の第2子無料化,小学生の医療費無料化,中学校給食の提供と,子育てに関する施策を充実させています。 ある会合で一緒になったほかの自治体の議員さんに,高知市が取り組んでいることで競争が大変になるのではないかと水を向けますと,どんどんやってくれと,次は,うちがもっと充実させるように持っていくという答えが返ってきました。 しかし,競争は,すればするほど双方が疲弊してきます。競争するよりも,国の最低水準を引き上げ,全国一律のサービスや制度化すべきと思います。 久繁さんの著書を紹介しましたが,示唆に富んだ言葉がありましたので紹介します。 「成功事例 みんなで真似れば,みな衰退」。自治体間の競争の将来を予言しているような言葉ではないかと思います。 「地方創生と地方自治に活用すべきビジネスの基本は,弱者(地方都市,中小企業)の経営は,強者(大都市,大企業)とは正反対」ということで,弱者の多くが強者の成功事例をまねして,皆と同じルールで競争して負けてしまう,強者がまねできないものを弱者は目指すべきものであるということ。 次に,「役所3悪」です。「計画にお金と時間を浪費。大きな事業が大好き。まねばかり」。思い当たる事業がありはしないかと思います。 「公務員は,金と時間をかけない計画づくり,小さく,早く,試行錯誤を繰り返す行動力,他者のまねをしない発想の3善を習得してほしい」とも書いています。 (仮称)長浜南部地域振興計画策定事業について見れば,指摘したように,春野はどうか,五台山はどうか,介良の団地以外はどうなのか,三里はどうか,放っておいていいのかというような危惧が市内各所に噴出してくるのは目に見えています。 本来ですと,高知市まち・ひと・しごと創生総合戦略が市内全体の人口減対策や地域振興策の役割を果たすべきものなのに,一部の地域にスポットを当ててしまったから,混乱を招いているものと思います。この際,きちんと市役所の部内で戦略の練り直しをすべきと思います。 済みません,時間を過ぎました。以上で私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○副議長(長尾和明君) この際暫時休憩いたします。  午後3時2分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後3時14分再開 ○議長(竹村邦夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 浜口卓也議員。  〔浜口卓也君登壇〕 ◆(浜口卓也君) 新こうち未来の浜口卓也でございます。本日最後でございますが,引き続きよろしくお願いいたします。 通告に従いまして,質問をさせていただきます。 新年度を迎えるに当たりまして,少し大きな視点も交えながら,質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず,段々出ておりますように,本市の財政状況の逼迫,また人口減,高齢化等によって非常に厳しい現状に置かれておりますし,私は,税収面などを勘案いたしますに,働く世代,高校,大学を卒業して,高知に戻って働くことができるのかどうかと。また,そういった希望を持つ者がふえてこなければ,結果として,税収は伸びないのではないかというようなことをいつも危惧しておりますし,現に,私の同級生などは,ほとんどが県外に出たままでございます。 そういったことが,非常に本市の財政状況にも関係しているのではないかなというふうに思います。 そうした中で,機構改革について,まず質問させていただきますが,我が会派の氏原議員の代表質問でも質問していただきましたが,来年度,政策企画課の新設を岡崎市長が予定されているということで,御答弁でもありましたとおり,政策のスピードアップと調整機能を兼ね備えてやっていくというお話がありました。 大いに期待したいなと思うところでございますが,私は,過去の政策が現在に及ぼしているということを踏まえて,これから,どういうふうに政策を打っていくかということで,この場でも何度も申し上げてまいりましたとおり,高知県内にあります大学,また,企業,専門機関等の連携というものを重視していく必要があるのではないかというふうに考えておりますが,岡崎市長の御見解をお伺いしたいと思います。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 今般の機構改革は,それぞれの行政課題に的確に対応する平成29年度からの組織を,人事配置とともにつくりたいということもございまして,意識をしましたのは,市長公室におけます政策企画調整機能のさらなる強化ということと,当然,市長公室の中に政策部門を集めてきますので,意思決定をかなりスピードアップをしていこうという意識もございます。 そういう中で核となりますのが,政策企画課ということになりまして,段々,今議会でも御質問のありましたように,総合的な検討策がそれぞれ必要になっておりますので,組織横断的な政策の企画調整を行う重要な課として位置づけております。 政策の立案に際しましては,現在の経済状況や,特に重要になっています人口の推移,また,多様化しますそれぞれの市民のニーズや各団体のニーズを的確に把握をいたしまして,県内大学などとも連携をしましたさまざまな調査研究事業。 高知大学,県立大学,工科大ともに,それぞれの重要な担当部門を担っていただいておりますので,それぞれの調査研究との連携,また,市民意識調査等を継続的に実施しまして,ニーズの把握を的確に行った上で,新たな政策の立案や政策実現に向けた計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。 成果指標を一定構えておかないと,どこまで進捗しているかどうかわからなくなりますので,総合計画の各基本計画の中でも,できるだけ,見える化をしようということで,新たな数値の設定,指標の設定をしております。 実施計画の中でも,それぞれの数値目標を掲げております。 例えば,実施計画は4カ年でございますが,各年度ごとに,どこまで進捗しているかということは,少しタイミングがずれるかもしれませんけれども,議会でも,一定お示しができるような工夫をしているところでもございます。こういうところの中核の課にしたいというふうに考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) 大学等との連携が行われるということで,非常にありがたいなと思いますが,これまでも各審議会等には,高知大学,また高知工科大学等から教授の先生方も入っていただいておりますが,私は,それ以上に連携というものを図っていくべきじゃないかなというふうに思っております。 後段,質問項目でも触れますけれども,スマホdeリレー,防災対策部の所管でありました。昨年9月議会でしたか,ちょっと異議を申し上げた中にも,高知工科大学に情報学群というものがあるにもかかわらず,そういうものの影響,新しいシステム導入に当たっての影響を問い合わせをしていないこと等を,非常に懸念をしております。 これは,なぜそこまで言うかおわかりだと思いますけれども,まず,県立の大学であるということで県民の税金によって高知工科大学は運営されています。 ですので,基本的には連携をしていこうという姿勢,そして,その研究成果というものを大学側も高知県内に及ぼしたいと思っていること。 また,そのシステムが新たに生み出されるということであれば,それをもって,県民,市民の命が救えまして,その後,そのシステムを,県外または海外へと販売できる可能性もあったのではないかというふうに思う点から,残念ながら,東北大学,また,東京の企業のシステム導入になってしまったという現状を憂いているわけであります。 ぜひ,その点を踏まえていただいて,県内,近くにある研究機関でありますので,高知大学,高知工科大学,県立大学等とは連携をしていただきたいというふうに思う次第でございます。 続きまして,公共施設マネジメントについて質問をさせていただきたいと。こちらも,段々と質問が出てきておりますが,来年度の機構改革で財産政策課が新設されるということもありますし,それに当たりまして,改めて考えてまいりたいのですけれども,公共施設マネジメントとは,全てを一元的に管理することに意味があります。 これまで,所管課が個別に管理をしていたことの弊害というものを,今回,取り払っていこうという取り組みでありますので,予算面は当然といたしまして,維持管理,修繕,建てかえなどの計画を一つの部署で行うことで,効率化,利便性向上が図れるということであります。 本市のこれまでの取り組み状況を見てまいりますと,以前の体制を残しながら,新たな財産政策室で計画も立てながらということで,私の目から見れば,ダブルスタンダードを続けておられるのではないかなというふうに思わざるを得ないということでございます。 この体制のまま財産政策課が新設というふうになりますと,配属される職員からすれば,一体何をやっているのだろうという疑問に,さいなまれ続けるのではないかというふうに考えるところです。 来年度から,新たに設置予定の財産政策課への権限移譲の部分について,岡崎市長にお答えいただきたいと思います。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 限られた予算と限られた人員数ですので,当然,ダブルスタンダードとかということは考えておりませんので,できるだけ効率的にというふうに考えております。 新設をします財産政策課でございますが,段々,御議論があっているとおり,高知市が保有しております,ある意味膨大な公共施設の現状と課題を調査,分析をいたしまして,計画的な保全と再配置によりまして,今後の維持管理コストや施設の保有量の最適化に取り組もうとして新設をするものでございます。 公共施設マネジメントが一定整理できましたので,全体の施設の保有量の最適化を図りながら,効率的な維持管理を実施するために,適切な予算配分を実施する必要があります。 平成29年度予算査定の中で,試行的に各施設の修繕予算について,財政課と財産政策課,これは前段ですけれども,推進室との連携によりまして,それぞれの修繕事業の評価を実施しまして,優先度の高い修繕事業に対しまして予算措置を実施いたしました。 また,今後,全庁的に公共施設のマネジメントを推進していくためには,戦略の計画となります施設の再配置の計画や長寿命化計画などの策定と取り組みに基づきます進捗管理を行う必要がございます。 効率的,また効果的に施設の維持修繕を行っていく必要がございますので,それぞれ財産政策課を中心として,庁内連携と,また財政との連携を,さらに強化していくということになるというふうに見込んでおります。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) 私が予算の権限も移譲させてほしいと申し上げているのは,何も財政課の仕事を財産政策課もやるという話ではありませんで,限られた中で,どのように複合化などをして,それこそまちづくりをしていくかということの,公共施設に関する権限は移譲させてもらいたいというふうにお願いしているわけであります。 当然,予算査定を財産政策課でするわけではありませんので,市長がおっしゃったとおり,財政課と連携をして公共施設マネジメントを推進していただきたいと。 また,これは本市などにおきましては,もう既に遅きに失している感がありまして,当然,判断を早めなければその分全てがおくれてしまうということで,残念ながら,判断というものは早ければ早いほうが当然いいわけであります。 前段,申し上げましたとおり,財政状況の逼迫からこの議論がスタートしていますので,その御決断というものは,していただかなければならないのではないかなというふうに感じているところであります。 次に,この問題に関して教育長にお伺いしたいのですけれども,教育長,以前は財務部長をお務めいただいておりましたので,この問題にも御理解は深いのではないかなと思いますが,現在,公共施設マネジメントに関しましては,小学生にもわかるように漫画を作成しております。 私は,この問題,将来負担を確実に背負うことになるであろう本市の小中学生に授業で説明をできないか,また,少なくとも高知商業高校では説明していただきたいというふうに考えるところであります。 来年度から財産政策課職員による出前授業を提案いたしますが,御所見をお伺いいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 公共施設マネジメントの視点で考えますと,近い将来において社会を担う子供たちが,本市の公共施設の現状を知り,自分たちの将来について考えることは,これからのまちづくりを進めていく上で,有効な手だてになると考えております。 また,本市の財産管理等を担当する職員による出前授業は,子供たちが公共施設の状況や老朽化,推計人口の推移など,本市の公共施設が置かれている現状を知り,子供たちの将来的な課題に対する気づきを促すきっかけとなる取り組みであると考えております。 本年度,財務部管財課で実施をいただきました小学校の出前授業では,子供たちから,公共施設の老朽化や少子・高齢化といった問題に危機感を持った,みんなで使う公共施設を大切に使いたいといった感想や,高齢者が安心して暮らせる施設があったらいいなどの意見も出されたところでございます。 今後も,小中学生の発達段階を踏まえたこのような出前授業が行われ,子供たちが将来の社会に関心を高めるきっかけになることを願っております。 また,高知商業高等学校におきましては,学校における教育活動全体を通して,社会に出て,みずからの人生を切り開いていくためのマネジメント力の育成を図ることを目指し,社会マネジメント科や情報マネジメント科といった学科編成を行っております。 マネジメントについて学んでいる高知商業高等学校の生徒にとって,ふさわしい教材等が用意されるということになりましたら,出前授業を含め,取り組みについて,学校と相談してまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) ありがとうございます。ぜひ,小中学生にとりましては,自分たちが学んでいる校舎に一体幾らかかっているのかということ等も理解できるでありましょう。 ただ,出前授業を行う際に,財務部長等にはお気をつけていただきたいのですけれども,どう考えても,計算上,将来,非常に危ない状況が来るなということは小中学生でもわかってしまうということになりますので,今やっている取り組みが,将来に対してやっているのだということを,きちっと説明するように心がけていただきたいというふうに思います。 続きまして,利用料金の適正化について質問をさせていただきます。 これも大きな視点でありますが,公共施設の建設費,維持管理費というのは先ほどから申し上げているとおり,将来世代への負担,また,利用されていない方々の負担によって成り立っていることも事実であります。 これから,利用料金について適正に受益者負担を求めていかなければならないと考えますが,来年度からの取り組みについて財務部長にお伺いいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 弘瀬財務部長。 ◎財務部長(弘瀬優君) 公共施設の利用料金の見直しに関しましては,高知市行政改革第2次実施計画における財源の確保策の取り組みの一つとして掲げており,本計画では,本年4月に予定されていた消費税率の引き上げに合わせて実施する予定としておりました。 しかしながら,御承知のとおり,消費税率の8%から10%への引き上げが平成31年10月まで延期されましたことから,本年4月に見直した場合,31年10月の消費税率の引き上げに伴う見直しとあわせますと,2年半の間に2度の見直しが必要となり,市民の皆様に混乱を与えることが懸念をされます。 また,平成28年度決算からは,地方公会計整備に向け,発生主義,複式簿記による統一的な基準による財務書類の作成が義務づけられ,現在,本市の資産評価の見直しに伴う固定資産台帳の整備等に取り組んでおり,見直し後の資産減価償却後の使用料の設定により,受益者負担の適正化についても取り組んでまいりたいと考えております。 そうした状況から,利用率やコストを反映した受益者負担の考え方に基づく利用料金の適正化は,非常に重要な取り組みだと認識しておりますが,市民の皆様の不安や混乱を避けるため,全庁的な見直しにつきましては,統一的な基準による本市資産評価に伴う財務書類を作成し,平成31年10月の消費税率の引き上げに合わせて行いたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。
    ◆(浜口卓也君) ぜひ,市民の方にも説明できますように,全庁的にルールをつくって行っていただきたいというふうに思います。 続きまして,市営住宅の再編について質問をさせていただきます。 市営住宅と学校施設というのは,本市が所有します公共施設の延べ床面積では相当な割合を占めております。この2つの施設群の公共施設マネジメントに消極的であれば,マネジメント自体が進まないという結果を生んでしまうのではないかというふうに思います。 従来の概念や手法にとらわれることなく,積極的にチャレンジしていただきたいと思います。 市営住宅の建てかえに当たりましては,設計施工を一体とする民間企業への発注に変えてはどうかと。そのほうが,利用者にとりましても快適でありますし,コスト面でも下げることができます。 また,建てかえる場所につきましては,本市の考えるグランドデザインの中で,例えば,中心市街地でありますとか中山間など,課題に応じて柔軟に対応することもできるのではないかと。 また,そちらに民間の保育所などを併設という複合化によって,さらなる利便性の向上もできるのではないかというふうに思います。 市営住宅としての必要条件を満たすことを前提として,敷地や建物の活用方法を民間の企業に自由に提案していただくことで,例えば,住宅を高層化すること,そして,あいたスペースに保育所,公園,コンビニ等を併設できる,また,低所得者層のための住宅とは別に,子育て世代向けの住戸を用意するなど,周辺全体の活性化や公共施設マネジメントの推進に寄与できるものというふうに思います。 市営住宅の設計から管理までを,一括して経営ノウハウのある民間マンション業者に発注することで,ソフト,ハード両面でのコスト削減,質の向上を図ることができるのではないかと考えますが,都市建設部長にお伺いいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 清水都市建設部長。 ◎都市建設部長(清水博君) 内閣府より平成27年12月に出されました,多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針を受けまして,本市では,高知市版のPPP・PFI導入ガイドラインの作成に着手しており,この中で,対象事業の基準や導入の評価手法,結果の公表など指針に従った項目の整理が現在行われているところでございます。 市営住宅の整備につきましても,現在,作成中の高知市版ガイドラインに従い,民間活力の導入の可否について検討していくこととなります。 来年度から建設に着手する予定の東石立町,筆山町市営住宅の合築が順調に進めば,平成32年度に完成する予定となっており,市営住宅再編計画では,引き続いて六泉寺町市営住宅の建てかえに取り組むこととしております。 市営住宅の建てかえには,多額の財政負担が伴う事業となりますことから,PPP・PFI手法導入の検討対象事業になることが想定されますので,御質問にありますような例も含め,さまざまな事業形態について,既に他都市で取り組んだ事例も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) ぜひとも,民間の活力,企業のノウハウ等を利用して,暮らす方々にとっても,そして我々の財政面のコストからも,両方がかなえられるような取り組みにしていっていただきたいというふうに思うところであります。 続きまして,本議会に予算案として提案をされています,また,公明党の高木議員からも質問がありましたが,勤労者交流館について質問をさせていただきます。 こちら,商工観光部から御提案がありまして,勤労者交流館防災機能強化事業費として4,646万5,000円が計上をされております。 ただ単に,防災機能を強化して階段をつけますと言われて,4,646万5,000円と言われたら,一般の市民の方からしたら,ちょっとイメージができなかったのではないかなというふうに思います。 まず,防災対策部長にお伺いしますが,勤労者交流館の地盤沈下予測,浸水予測,近隣に,より高い建築物はなかったのか等,周りの状況についてお示しいただきたいと思います。 ○議長(竹村邦夫君) 門吉防災対策部長。 ◎防災対策部長(門吉直人君) 高知県が平成24年に公表した高知県版第2弾南海トラフ巨大地震による震度分布・津波浸水予測によりますと,勤労者交流館周辺では,地震発生から40分から60分で足をとられて動けなくなる浸水深30センチの津波が到来いたしまして,約1.5メーターの地盤沈下を含みます津波浸水深は最大2メーターから3メーターになると想定されています。 勤労者交流館の立地する丸池町は,低層の住宅がほとんどで,町内には津波避難ビルの要件を満たす高い建物がありません。 また,丸池町近隣におきましても高い建物が少なく,津波避難ビルの要件を満たす施設に指定に関する協力をお願いしておりますが,現在のところ,施設側の合意を得るには至っていない状況でございます。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) 財務部長にお伺いしたいのですが,勤労者交流館の今後の計画,また,財産カルテをお示ししていただきたいと思います。 ○議長(竹村邦夫君) 弘瀬財務部長。 ◎財務部長(弘瀬優君) 御質問の勤労者交流館は,中小企業に雇用されている勤労者等の勤労意欲及び技能の向上,福祉の充実を図るために,昭和60年,1985年に建てられた鉄筋コンクリートづくりの施設であります。 鉄筋コンクリートづくりの建築物の計画耐用年数は約60年ですので,机上では,建てかえ時期である2045年まで,あと30年程度残されており,施設の位置づけといたしましては,目的が重複する施設もないことから,また利用エリアは全市域にまたがっており,現時点では,今後も適切に維持管理を行って有効活用を図ってまいりたいと考えております。 御質問の財産カルテにつきましては,先ほど御説明いたしました発生主義と複式簿記による統一的な基準による地方公会計の作業中であり,現在,これまでの現金主義では見えにくかった費用や資産を把握するために,平成29年度中の財務諸表公開に向けての作業を進めております。 それぞれの施設の資産価値を新しいルールに基づいて明らかにし,施設ごとのカルテを作成してまいりたいと考えておりますので,御理解をお願いいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) 都市建設部長にお伺いしますが,4,646万5,000円の積算の根拠というか,技術的内容をお示ししていただきたいというふうに思います。 ○議長(竹村邦夫君) 清水都市建設部長。 ◎都市建設部長(清水博君) 勤労者交流館防災機能強化事業は,勤労者交流館の周辺住民の津波避難対策として,屋上避難を目的に,外部階段の設置を行うものです。 積算の根拠といたしましては,直近の小学校の避難階段等の工事実績をもとに,主な工事費につきましては,鉄骨階段の設置費として1,980万円,くい工事費として363万3,000円,屋上の安全対策のフェンス設置費として361万6,000円,老朽化した敷地周辺のフェンスの改修費として110万円。 これらの直接工事費に仮設費,諸経費等を加えまして,事業費を4,646万5,000円としたものでございます。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) わかりました。今回,私がこの問題に少し疑問を持っている点といたしましては,この財産政策室が絡んでいないということであります。 施設の維持修繕には,財産政策室がリーダーシップを発揮するということなのですが,この外づけ階段については縦割りで関与していませんというのが現状であるというふうにお伺いしているのですけれども,私は,このようなことでは全体的な予算,また,アイデア等が生まれにくい状況だったのではないかなというふうに思いました。 市長はこのような現状を,私は公共施設に関することについては,より市民ニーズに応えるという観点からも,コストの面からも,来年度,財産政策課としての判断を入れていくべきだというふうに考えますが,お考えをお示ししていただきたいなというふうに思います。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 公共施設マネジメントの視点で見ますと,この,現在議論になっています勤労者の交流館のみならず,施設を有効に利用し続けるという観点からは,それぞれ施設の改修が必要になるということもございますので,施設の機能強化というものは行っていく必要がございます。 ちょうど,この事業につきましては,平成32年度までの期限となっております緊急防災・減災事業債の活用を図るということを目指しておりますので,一定の期限の中で事業を行っていかなければいけないというふうに考えております。 また,財産政策室との連携でございますが,今般の平成29年度の中では,予算化の優先順位をつけるための一括予算査定を行いまして,できるだけ数値化した上で,その事業の優先度を決めております。 一定の老朽度と緊急度などから,総合的に点数評価をした上で,財産政策室が財政課と連携をすることによりまして,効果的な予算査定ができたものということがあります。 財産政策室は,何もこれに関して加わっていないということではなくて,財政課と連携して,このことを協議した上で点数化しておりますので,一定入っているということを御理解いただきたいというふうに思います。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) 理解ができましたが,やはり,ここまでの背景等々を説明していくべきじゃないかなと。市民の皆さんも,商工観光部長が,階段つけます,4,600万円ですと言われたら,一体何なのだろうと,私のように疑問を持たれる方も非常に多いのではないかなというふうに思います。 多角的に検討した上でのこういうことなのですという説明は,さまざまなところでやっていくべきかなというふうに思いましたので,質疑をさせていただいたところであります。 続きまして,海外戦略というふうに書かせていただきました。 まず,岡崎市長にお伺いしたいのですけれども,高知の魅力海外発信事業費として,台湾高雄市で開催される観光物産展への参画費用が,来年度予算案に計上されております。 国内外から誘客を目指すというふうにありますが,具体的な計画,また,なぜ今回,台湾高雄市に目標を定められたのか,あわせてお答えいただきたいと思います。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 海外の戦略につきまして,どういう客筋,また,どういう誘客にターゲットを絞っていくかということが重要になりますが,日本全体で見ましても,台湾からの観光客につきましては,中国,韓国,台湾というふうに3番目になっております。 高知県で見てまいりますと,外国人観光客の約3割を超える方々が,台湾からこの高知へ来高いただいておりまして,国別で見ますと台湾が一番多く高知へ来られております。 また,県では,主に台湾の首都であります台北周辺に,大規模な観光プロモーション等,今,展開をしておりますので,県とかぶったところへ行かなくてもいいのではないかというふうに我々は考えております。 本市では,昨年11月に四国経済連合会と合同で,台湾の南部,高雄ですけれども,人口規模277万人,約280万人おりますので,高雄で一番大きい百貨店で,四国の物産展とあわせまして高知市のよさこい,また高知市の物産関係のPRを実施し,非常に好調でございました。 高雄のすぐ隣接地にもう一つ,台湾の南と書きますが,台南市がございまして,台南市は人口188万人ですので,高雄と隣接の台南を合わせますと商圏の規模は約500万人に上るということでございますので,非常にコンパクトな2市で500万人規模のマーケットがあるということで,効率的にいろんな意味でのアピールや,また営業ができるということも考えております。 四国全体でも400万人しかいないので,すぐ近隣の2市で500万ということは非常に有望なマーケットであるというふうに考えております。 昨年の秋の高知市の観光課を中心とします観光PRは非常に好評でございまして,百貨店側からも,ことしの秋にもぜひ物産展とよさこい鳴子踊りの披露をチームとして送ってほしいという要請を,直接店長が高知市へ来られまして要請を受けておりますし,百貨店側でも相当の予算を構えておりますので,引き続き四経連と連携をしまして,台湾の南部の誘客に努めていきたいというふうに考えております。 来年2月に,全国旅行業協会,それぞれ全国にあります大手のエージェント以外のエージェントですが,全国の旅行業協会の方々が来年2月に高知市に来まして,国内観光活性化フォーラムが開催をされます。多分1,000人近くエージェントが来ますので,それに合わせまして来年2月には台湾の旅行エージェントを誘致しておりますので,相当の台湾からのエージェントが高知へ入ってきますので,その場も有効に活用して,インバウンド商談会を積極的にやりながら,台湾からの誘客に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) ありがとうございます。ぜひ戦略を持って取り組んでいただきたいというふうに思いますし,さきの県議会2月定例会におきましては,自民党桑名龍吾議員の質問への答弁で,尾崎知事が台湾へ活動拠点を設置する方針を表明されております。現地のビジネスコンサルタントと連携を強化するとともに,商談などの経済活動の拠点となるオフィスを設置すると。 さらに,台湾や東南アジアに人脈を有し,輸出に関する知見を持つ専門家を貿易推進アドバイザーとして委嘱し,食料品,工業製品の各分野における戦略の磨き上げや,国際観光を含む各事業への助言や指導をいただきながら,取り組みを一層強化していきたいと考えております。 また,庁内には輸出を統括する副部長級の輸出振興監を新たに配置し,全庁に広がってまいりました輸出振興の取り組みに横串を刺し,より効果的な事業展開を図ってまいりたいと考えておりますというふうに答弁をされております。 来年度11月に予定している高雄市での観光物産展への出展のみならず,私は県市連携をして,県のほうでは基本的にはシンガポール事務所を拠点とされるというふうにおっしゃっておりましたが,アジア戦略の中で本市としても台湾を定めるというのであれば,県市連携のもと,民間企業のサポートもしていくべきではないかというふうに考えていますが,岡崎市長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 高知県におきましては,今,御紹介いただきましたとおりシンガポール事務所,我々も何回か訪問したことがございますが,また,上海のビジネスサポートサテライト,ここも訪問したことがございますが,来年度から,さらに台湾活動支援拠点の拡充・強化を図るということで準備をしております。 また,貿易推進の統括アドバイザーを新たに民間から起用し,シンガポール事務所とも連携をしながら,台湾を中心とした貿易強化に取り組む方向であるということもお聞きをしております。 台湾におきましては,それぞれ,現在の台湾の繁栄をつくりました,例えば,水道事業,港湾事業というものは,先人の日本人が台湾と共同で,台湾の現在稼働しています水道事業,また,港湾の事業等をつくっておりますので,非常に日本を信頼されておられますし,親日家も非常に多いということもございます。 そういうこともございまして,四国の四経連とともに,現在,準備をしておりますので,ことしの秋にも一緒に入り込みたいというふうに思っております。 また,県では,高知県の防災産業のそれぞれの製品を,台湾を中心に売り込んでおります。 御承知のとおり,台湾も非常に地震が多い地域でございますので,防災産業も非常に関心があるというふうに聞いておりますので,それぞれ連携をし,ジェトロとも協力をしながら,高知市のそれぞれの企業とのつなぎを積極的に行ってまいりたいというふうに考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) ありがとうございます。ぜひ台湾は,近くて,親日でありますので,多くの人口を抱えているということもありました。積極的に進めていただきたいというふうに思います。 また,姉妹都市提携を結んでいる都市に関しましても,経済交流なども中心にして,進めていただきたいというふうに思います。 ただ行ったり来たり,式典だけではなくて,売り込み等もやっていただきたいというふうに考えておるところであります。 続きまして,職員提案制度について質問させていただきます。 こちらは,吉岡副市長にお尋ねいたしますが,平成29年2月9日に行われました派遣研修報告会にて,新たな職員提案制度導入に向けてという発表が政策課題研究グループによって行われました。 私も参加をさせていただいて拝聴させていただきましたが,細部にわたりまして具体的に詰められた,非常によい発表であったと思います。 また,発表後,総評にて吉岡副市長からも,来年度から導入する旨の発言がありました。この政策課題研究グループ発表の内容に即して導入されるのか,また,その導入時期について,決まっていればお答えいただきたいと思います。 ○議長(竹村邦夫君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 派遣研修の報告会に,毎回,浜口議員には参加していただきまして,まことにありがとうございます。 市長とも話しておりますように,やはり組織は人でございますので,平成21年からの財政再建中であっても,この派遣研修費はずっと確保しておりました。 そういう意味で,13年ぶりになりますけれども人材育成基本方針を先月策定いたしまして,職場における人材育成,研修による人材育成の取り組みをしっかりやっていきたいということで,その中で新たな職員提案制度についても位置づけております。 先月9日の報告会におきまして,研修グループから新たな職員提案制度導入に向けての,やらされる改革からやる改革へとのキーワードのもと,平成16年まで実施しておりました職員提案制度の課題等を踏まえた,具体的な提案を交えた報告がなされました。 新たな職員提案制度の構築に向け,大変参考になるものと考えております。 報告内容を少し紹介しますと,提案の種類を,身近な事務改善のアイデア提案,それから,事前に決定した課題の解決策を提案するテーマ提案,そして,アカデミックな研究成果に基づく政策提案となるチャレンジ提案,そして,職員の気づきから生まれた業務改善で市民サービスの向上等に効果があったものを改善する改善報告と,4つの切り口による提案として,提案件数の減少や提案者の固定化という平成16年まで実施していた職員提案制度の課題克服に向けた提案がございました。 また,この提案制度全体は,市民,議会,職員全てに対する見える化を図っていくこと。それから,職員に対する提案教育の実施や各職場における一課一改善・一提案の取り組みなどにより,職場風土の改善や職員の提案意欲の向上を図ること。 さらに,提案内容の実現に向け,事業化に向けたフローの作成など,多くの具体的な取り組みの提案がなされた報告でございました。 今後,この内容を踏まえますとともに,先月策定いたしました人材育成基本方針との連動を図りながら,職員一人一人を大切にする職員提案制度として,新年度に入りましてから制度設計を進め,年度の下半期から,新たな制度として運用してまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) ぜひ,若手の職員の皆さんがさまざまな提案をされると思いますので,見える化も図っていくということを示されておりましたし,議会からも注視してまいりたいと。下半期からの提案制度導入,よろしくお願いいたします。 続きまして,民間産業への支援策につきまして,1問入れております。 岡崎市長にお伺いしたいのですけれども,予算編成,また補助金等につきまして,今議会でも我が会派の,竹の被害等につきましては,基本的には現時点ではゼロ回答であったり,また,その他の予算につきましては,なぜか例年どおり予算がついてくるというような,過去に経緯はあったにしても,いろいろな,時代が変わる中で,ずっとずっと予算をつけ続けるのかと。 また,新たなものには予算がないからつきませんというようなことになってしまいますので,私は民間の企業,また産業,農業等を応援するのに一定のルールづくりが必要なのではないかと。ルールに従って応援をしながら,自立を目的として,そこで一定の期間を設けたりすることが必要なのではないかと。 当然,全ての事業を続けながら新たなものをふやして,税収が入らないということになりますと財政は逼迫してくるわけですので,一定のルールづくりが必要かと考えますが,岡崎市長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) ルールづくりの中でもいろいろ考え方があると思いますが,基本的に予算査定を行うときには,できる限りスクラップ・アンド・ビルドということを意識しておりまして,当然に何か,時宜を得た新規事業を起こす場合には,事業目的は既に達成したものを,スクラップできないかという観点で査定をしております。 もう一つは,1回,高知市が事業等を始めますと,なかなかその事業を廃止することが難しいという状況にもなりますので,通常,財政用語でサンセット方式というふうにも言いますけれども,3年もしくは延長しても5年で時限を切って,効果的にやるということも意識をしております。 ルールづくりにつきましては,さまざまな考え方がありますので,そういう点につきましては,例えば民間の支援につきましても一定の工夫をしながら,それぞれの効果をしっかりと算定をしながら予算編成に努めてまいりたいと思います。 そういう意味で,今回,実施計画の中ではできるだけ指標化をしておりますので,目的の達成度が見えるということを工夫しておりますので,そういうことの中で,PDCAサイクルの中で決めていきたいというふうに考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) 市長がおっしゃるとおり,いろいろな考え方のもとにやられておりますので。まあでも,厳しいようですけれども,経済というのは自立を目的としていますし,その中で知恵が出ることもあるのだろうというふうに思いますので,ぜひお願いしたいと思います。 長期浸水対策事業,スマホdeリレーに関しましては,時間の都合上,委員会で説明していただければというふうに思います。申しわけございません。 では,特別支援教育のあり方について質問させていただきます。 たび重なる議会,この場でも私が指摘をさせていただきましたとおり,特別支援教育につきましては,さまざまな問題点が浮き彫りになってまいりました。 来年度に向けた具体的な改善策について,お伺いをしてまいりたいというふうに思います。 まず,問題となりました担任につきましては,どのように処分し,また改善を図るためにどのような研修を行っていくのか,教育長にお伺いします。 ○議長(竹村邦夫君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 以前,指摘をいただきました高知特別支援学校の教員につきましては,昨年6月に,任命権者である県教育委員会が懲戒処分を行っております。朝倉第二小学校教員につきましては懲戒処分の予定はございません。 両教諭に対しましては,服務監督者である市教育委員会から強く反省を促しますとともに,学校での支援会への参加や,日々の実践における問題点の指摘と改善への助言を丁寧に繰り返すことなどを通じて,保護者からの信頼回復と,児童・生徒への支援における指導力等の改善に取り組んでいるところでございます。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) 個々の先生方の能力について,私がここでとやかく言うようなものでもございませんが,問題を真摯に受けとめて改善していく態度は必要ではないかなというふうに思います。 また,特別支援教育における専門性の向上のことは,ずっと申し上げ続けてまいりましたし,この朝倉第二小学校での特別支援学級の様子を,高知大学医学部の先生,また高知工科大学の教育学部の先生に見ていただいたところ,非常に基本的な環境の整備から不備があるというような御指摘もいただいておりました。 できている学校もあるのに,朝倉第二小学校は,ここは特に改善が必要だということでありましたので,教育の平等の観点からしても私は問題があるのではないかなというふうに思いましたが,来年度からどのように改善をされるのか,教育長にお伺いします。 ○議長(竹村邦夫君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 現在,教育研究所では,小・中・義務教育学校の知的障害特別支援学級を,中学校区単位で2校から4校の7グループに分け,1グループ当たり,小中学校合わせて10校ほどとなりますが,知的障害特別支援学級充実事業として研修を実施しております。 この研修では,グループごとに研究授業の実施や指導案の作成,実践交流を行い,知的障害教育の充実を目指して取り組んでおります。 来年度は,研修内容を少し見直しし,新任の知的障害特別支援学級担任や経験年数が少ない担任へのサポートや,授業サポート等の要望がある学校への訪問支援に重点を置き,各グループでの実践研究とともに取り組んでまいります。 また,教育研究所では,新たに,自閉症・情緒障害特別支援学級担任への研修を,年度当初のできるだけ早い時期に実施したいと考えておりまして,現在,その準備に当たっているところでございます。 特別支援学級の担任だけではなく,学校全体の特別支援教育の中心を担ってもらうことを目的として実施しております特別支援教育学校コーディネーターの研修の中でも,一人一人の子供の苦手さを理解するための実態把握の大切さや,子供の特性理解,授業に集中しやすくするための環境の改善,子供が自分で見通しを持って取り組んでいけるための適切な手だての重要性など,子供たちが,安心して生活できる校内支援体制に向け,取り組んでまいりたいと考えております。 御指摘の教室等の環境整備につきましては,注意がそれやすい子供に対して,窓ガラスや棚などの目隠しや音の軽減のためのテニスボールを机や椅子に取りつけるなど,感覚刺激の減少に取り組んでおります。 また,施設整備や教材,教具の充実,教職員の子供たちへのかかわり方や支援方法などについても,学校と連携して教育委員会全体で改善に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) ぜひお願いしたいところでございます。 また,私は再三申し上げておりますとおり,この分野は,学校の先生,教育委員会だけでやろうとしていることに少し限界があるのではないかなと。 確かに,現場は学校でありますが,医療,また,福祉の分野であるということも言えます。大学などの研究機関とも連携をするべきではないかというふうに思いますが,来年度からの取り組みとして,変化があれば,教育長からお示しいただきたいと思います。 ○議長(竹村邦夫君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 現在,既にいろいろな連携はしておりますけれども,こうした連携を引き続き続けてまいりたいと思っております。 御紹介申し上げますと,例えば,研究所が学級経営に苦戦している学校に対しましては,あったか学級づくりアドバイザー派遣事業というのがあります。 それから,生徒指導に苦戦している学校に対しましては,人権・こども支援課の事業であります学校支援アドバイザー派遣事業というのも活用しております。 これらの事業には,いずれも大学教授等の先生方に定期的に訪問していただくとともに,御助言をいただくなど,管理職を含め,学校と大学の研究機関との連携を実施しておるところでございます。 今後も,外部機関との連携を図りながら,子供たちの,よりよい学校生活の充実に向けて,各関係機関と連携を丁寧に積み重ねながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) 既に連携をされているということでありましたが,されていて,こういう問題が起きるというのは,私はどういうことかなというふうに思ってしまいます。 そういう面で,私は人事,研修体制という教育委員会における大きなシステムに問題があるのではないかというふうに考えます。 教育研究所の体制や役割,全体としての人事をどのように変化させていくべきと考えているのか,教育長に再度お伺いいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 教育研究所の特別支援教育班では,主に,就学相談や教育相談といった役割を担っております。相談件数は増加傾向にございまして,平成27年度は709件ございました。 特別支援教育班は,班長を含め4名で対応しておりまして,これらの業務に限りましても,単純に平均いたしますと1人当たり176件となります。 相談の主な流れとしましては,1件につき,実態把握,検査,学校への報告,保護者への報告や相談,支援会への参加などというふうになっております。 保護者の皆様方からの就学相談,教育相談に対する要望も高くなってきており,相談件数の増加,また相談内容の多様化に伴い,児童・生徒や保護者の方一人一人に係る相談回数や時間が増加してまいりました。 そのため,平成26年度に臨時的に職員を1名増員して対応してまいりましたが,29年度からは,これを定数化することといたしました。引き続き,体制整備について検討してまいりたいというふうに考えております。 教育委員会といたしましては,また,これまで御指摘もありました相談窓口がはっきりしないというようなこともございましたので,できるだけ相談窓口の明確化を図るとともに,保護者の皆様方がお困りになった際には,これまで恐らく保護者間のネットワークなどつながりの中で,相談できるところを探して相談するといったことが多かったのではないかというふうに考えております。 今後は,できる限り相談を受けたところが適切な部署へつないでいくような体制を教育委員会全体で整えていきたいというふうに考えております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) ぜひ,相談の窓口というのを明確化してほしいというふうに思います。 結局は,たらい回しといいますか,行政にありがちな,次から次へと行って,結局誰が責任者かわからないというようなことが実際にあったから,ここで申し上げているわけであります。 来年度に向けて,教育長から相談窓口の話がありました。ぜひ,明確化していただきたいというふうに思います。 ここで,また,こども未来部長にお伺いしますが,子ども発達支援センターなどは,この相談窓口になり得ると考えますが,御所見をお伺いいたします。 ○議長(竹村邦夫君) 山川こども未来部長。 ◎こども未来部長(山川瑞代君) 子ども発達支援センターや子ども家庭支援センターなどにおきまして,障害のある児童に関する相談や児童家庭相談など,子供を中心としたさまざまな相談に必要な助言,支援を行っています。 相談内容につきましては,教育委員会など関係する機関へおつなぎすることや情報共有など,子供や家庭に関する支援等が円滑に実施されるよう努めております。 ○議長(竹村邦夫君) 浜口卓也議員。 ◆(浜口卓也君) こども未来部,また健康福祉部長にも,これは法律上,教育委員会が要請しなければ,こども未来部,健康福祉部からは積極的には連携ができないということでありますので,ぜひ閉鎖的にならないように,この問題についても連携して取り組んでいただきたいというふうに思います。 以上で,私の全質問を終わります。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(竹村邦夫君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(竹村邦夫君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 3月15日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。  午後4時14分延会...